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2022.07.07
コラム

浴衣の素材選び!これを知れば浴衣の愉しみ方 無限大

暑い夏がスタートします。夏の着物といえば「浴衣」ですよね。浴衣にはさまざまなデザインはもちろんのこと、生地や素材も多種多様あります。素材、生地が変わるだけで、シーンに合わせた着こなしを演出することができます。今回は夏の風物詩「浴衣」の素材や生地についてお伝えします。

【目次】
1. 浴衣の素材について知ろう
2. 浴衣の織りにも注目
3. 浴衣を着用するときの注意ポイントQ&A
4. シーンに合わせた浴衣の着こなし
5. まとめ

浴衣の素材について知ろう

古くから日本で愛され続けている着物のひとつ「浴衣」。浴衣の語源は「湯帷子(ゆかたびら)」と言われており、平安時代には入浴時に着ていたとされており、江戸時代中期には着心地の良さから湯上がり後に着用することが増え、明治時代に入ると夏に着るおしゃれな外出着として親しまれ現代に至ります。

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現代では、浴衣にはさまざまな素材や生地があり、着こなしによってカジュアルな雰囲気からよそ行きのお出かけスタイルなど幅広く着ることができるようになりました。浴衣の代表的な素材としてあげられるのが、綿(木綿)、そのほかに綿麻(綿と麻の混合)、ポリエステルなどです。それぞれ生地によって浴衣の特徴や扱い方が違ってきます。

木綿(綿)

ゆかたの代表的な素材「木綿」。浴衣の中でも、もっとも種類が豊富な素材です。通気性もあり、着心地も抜群。日本のじめっとした暑さでもさらりと着ることができ、吸汗性も◎。

綿麻

生地に綿と麻の糸を使い混合。乾きやすく、麻の風合いのおかげで生地に張り感も出てきます。シャリっとした肌触りも気持ちがよく人気が高い生地です。

ポリエステル

近年とても進化した素材、ポリエステルを使った浴衣です。浴衣全体の発色が良く柄も美しく演出することができます。吸水性や速乾性に優れており、シワにもならず普段の洋服同様に自宅で洗濯することができます。

浴衣の織りにも注目

素材の綿や綿麻、ポリエステルの糸をどのように織るか、でも浴衣の特徴がそれぞれ違ってきます。次に浴衣のさまざまな織り方をご紹介します。

絹紅梅・綿紅梅(紅梅)

夏の織物によく使われている織り方のひとつ。綿の浴衣なら綿紅梅と言い、絹を使った浴衣は絹紅梅と言います。絹紅梅は高級で粋な大人の浴衣として注目を集めています。綿の生地に太めの綿の糸で格子状に模様を入れて織り込んでいる伝統的な織り方です。生地に凹凸ができ段差となるので、生地が肌に張り付くことなく、さらりとした着心地を体感できます。「紅梅」という名前は生地の凹凸=勾配から由来されているそうです。

綿絽

「絽目」(ろめ)と呼ばれる、特有の細かい穴が縞状に入っている「綿絽」。生地に細かく穴を開けたような織り方で透け感があり清涼感を演出することができます。軽やかな着心地ですが、透け感があるので着用する際は浴衣用下着を着ることをおすすめします。足袋や半衿、長襦袢をおしゃれにすることで、美術館などのちょっとしたお出かけにも着用することができます。

綿コーマ

平織りで透け感がなく、表面に凹凸もない「綿コーマ」。柔らかい肌触りが特徴です。カジュアルなので、花火大会からビアガーデン、温泉旅館などに着用するのがおすすめです。

浴衣を着用するときの注意点とポイントQ&A

浴衣初心者からの質問が特に多いのが「浴衣ってそのまま着用すればいいの?」「浴衣の下に何か着た方が良いの?」「浴衣の時は何を履いたらいいの?」など疑問、質問をまとめてみました!

Q:浴衣の下に何か着た方が良いの?

A:浴衣はもともと寝巻きのような感覚で着用されていましたが、今では浴衣は外出時に着ることがほとんど。だからこそ、浴衣の下には専用の肌着「肌襦袢」(はだじゅばん)を着用しましょう。浴衣の素材は基本的に透け感のあるものが多く、肌が透けてしまいます。また、浴衣(和服)は前開きの形をしているので胸元が開きやすかったり、気崩れしてしまうことも。そのために「肌襦袢」を着用することで、気崩れすることなく浴衣スタイルを維持することができます。
肌襦袢にはセパレートタイプとワンピースタイプの2つがあります。セパレートタイプは上半身と下半身で分かれている一般的な肌襦袢。着物のように着用をする必要があります。ワンピースタイプは、上半身から下半身まですっぽり覆えるワンピースのようなタイプ。初心者におすすめです!浴衣のおしりのあたりに裏地をつける「居敷当て」(いしきあて)をつける方も急増。腰回りの透け感もなくなるので、仕立ての際にオーダーをするのが良いでしょう。

Q:浴衣を着てちょっと良いホテルでご飯を食べたい!その時は足元は下駄?草履?

A:美術館やホテルなどに浴衣で出向く際は、草履が良いでしょう。浴衣といえば下駄のイメージが強いかと思います。昔、浴衣は寝巻きやお風呂上がりに着用していたもの。気軽に羽織れるからこそ、当時一般的だった下駄に合わせており、現代でも浴衣の時は下駄というイメージがつきました。夏祭りや花火大会などカジュアルな浴衣の時は下駄で◎です。
しかし近年、着物のような浴衣もたくさん登場しています。美術館やホテルなどワンランク上のシーンでも着ることができるようになりました。下駄は歩くたびに音の出る履き物、野外のイベントなどでは気になりませんが、室内ではマナー的に足袋をつけて草履を履くことをお勧めします。その際には、半襟や帯、帯まわりの小物をしっかりと身に付けると、全体のバランスがとれて良いでしょう。

Q:浴衣にあうワンランク上の小物を教えて

A:清涼感ある麻の足袋や、帯揚げ、かんざしを取り入れることでワンランク上の浴衣コーディネートが誕生します!
まずは麻の足袋。麻はハリのある上質な質感が魅力。特に夏の時期、暑く湿気が多い時には麻の生地を取り入れたアイテムを使うと良いです。足袋は長時間歩いていると蒸れることが多いので、麻素材の足袋を使うとさらりとした履き心地も良いですよ。最近では透ける素材の麻の足袋なども登場しているので、シーンに合わせてチョイスすると良いでしょう。

次にご紹介するのが帯揚げ。夏用の帯揚げもたくさんありますが、透け感のある素材を取り入れると夏らしさを演出することができます。先ほども取り上げましたが麻素材を使った帯揚げから、絞りの帯揚げなどがおすすめです。色合いは淡いカラーを取り入れたものをアクセントにすると、夏らしいコーディネートになります。

浴衣を着用するときは、ヘアをアップスタイルにすることが多いかと思います。その時に活躍するのがかんざしです。浴衣のデザインにはこだわるけどヘアは・・・という方はぜひ夏らしいかんざしを取り入れるだけで、洗練された浴衣コーディネートを楽しむことができます。上品な雰囲気を演出したい場合は小ぶりなかんざしを。古典やレトロな浴衣にはちりめん素材のかんざしを使うと良いでしょう。最近ではパールがついたかんざしや、くしタイプのかんざしなども登場しています。もしかんざしの色に迷ったら、浴衣の色を参考にすると良いでしょう。それでも迷ったら、白系のかんざしを取り入れると、合わせやすいですよ!

バッグもこだわりたいひとつ。巾着のような小ぶりなものかつ、浴衣に合わせたカラーを取り入れるとおしゃれにコーディネートできます。シンプルなデザインを取り入れることでさまざまな浴衣に合わせやすいのでおすすめです。

Q:浴衣に半衿を用いる時、どのような柄や素材を合わせれば良いですか?

A:半衿とは、着物の下に着る「長襦袢」に付ける「襟」の事をいいます。着物はもちろんですが、着物風に浴衣をコーディネートしたい場合は半衿を取り入れる方も多くいらっしゃいます。夏用の半衿も数多くあり、フォーマルなデザインからカジュアルデザインまでさまざま登場しています。浴衣のデザインに合わせて楽しめるのが半衿の良いところです。ただし、カジュアルな生地の綿コーマは半衿を用いない方がベター。綿コーマは浴衣の中でも地厚で、昔ながらの王道の浴衣。浴衣らしい着こなしが1番着心地もよく、半衿や長襦袢はつけずに着るほうが断然おしゃれです!

綿コーマ以外の浴衣の生地であれば「お出かけ用の浴衣(高級浴衣)」とされているので、長襦袢に半衿をつけてお出かけを楽しむと良いでしょう。

シーンに合わせた浴衣の着こなし

夏を楽しむ浴衣ですが、素材のバリエーションが増えたことで、シーンやTPOに合わせて浴衣を着こなすことが最近ではできるようになりました。この夏おすすめの浴衣の着こなしをご紹介します。

花火大会はカジュアルな浴衣スタイルで!

浴衣を着てお出かけするといえば=花火大会。ポップで明るい華やかな色合いの浴衣からレトロで落ち着いた浴衣など、好みの浴衣デザインをチョイスするとテンションも上がります!帯は基本的には半幅帯や兵児帯がおすすめです。透け感のある浴衣の場合は特に浴衣用の肌着を着ることをお忘れなく。素足に下駄を履いてラフなスタイルで浴衣を楽しみましょう。

美術館へお出かけするときにはよそ行き浴衣で!

野外イベントのようなカジュアルなシーンではなくワンランク上の夏のお出かけを楽しむときは着物風にコーディネートしてみましょう。夏のよそゆきとして最適な絹紅梅などには浴衣の下に夏の長襦袢を着用すると、着物風スタイルを演出することができます。また足元も素足に下駄ではなく、足袋を履いて草履を履くと少し改まった感じにもなります。通気性の良い夏足袋をチョイスすると、蒸れる心配もありません!帯も半幅帯ではなく夏の名古屋帯にする事でカジュアルすぎない装いができます。季節の帯留めなどをあしらうことでさらにコーディネートにこだわりが出てきますね。

上質なホテルでランチをするときは!

浴衣を着て、洗練されたホテルでランチを楽しみたい。そんな時の浴衣はこだわりの高級浴衣を着用してお出かけしてみましょう。おすすめは、絹紅梅。高級浴衣として愛されておりますし、ポリエステルの浴衣は夏着物のような雰囲気を醸し出すことができます。シワにもなりにくいということも嬉しいポイント!優雅なお洒落を愉しんでくださいね。

まとめ

いかがでしたか?浴衣といえば、花火大会や夏祭りに着用するというイメージを持っている方も多いと思いますが、生地や織り方によって「着物風」の着こなしなど幅広いシーンに着用することができるようになりました。着物風の浴衣をコーディネートするには、半衿や夏らしさを感じる名古屋帯や草履などの着物アイテムを取り入れると完成度の高いコーディネートになり、さらにおしゃれさが増します。
愛知県豊橋市にある呉服店の山正山﨑では、さまざまな浴衣がラインナップしています。カジュアルな綿コーマの浴衣から、自宅でも洗える素材を取り入れた浴衣、品の良さを演出できる高級浴衣などを見ることができます。浴衣大好きなスタッフさんも常時在籍しているので「こんな浴衣が欲しい!」「自分に似合う浴衣を探して欲しい」などなんでもご相談を。浴衣に合う小物も多数あり、夏用の半衿から足袋、草履などもすべて揃っているので、トータルコーディネートを提案してくれるのでおすすめです。
ぜひ浴衣のことなら、山正山﨑へ。