先だって行われた2023年の成人式。ふらりと出かけた街角で、またはテレビや新聞などで成人式の様子を見て、「来年もしくは再来年は私たちの番だね」と期待に胸を膨らませた人もいるのではないでしょうか。そこで今回は、母娘で楽しみながら振袖を選ぶポイントをご紹介します。振袖選びを通じて母娘の大切な思い出を作ってください。
【目次】
1 振袖選びに母娘で臨むメリット
2 意見が合わない時はどうすればいい?
3 2024年~2025年 最新トレンド振袖はこれ
4 まとめ
振袖選びに母娘で臨むメリット
成人式はお嬢様が大人の階段をのぼる大きな節目の時です。これまで大切に育ててこられたご両親にとっても、一生に一度の晴れ舞台になります。そんな貴重な時だからこそ、当日だけでなく準備段階から母娘で楽しみたいもの。
お母様は自身もハタチの時に振袖を着ている分、頼れる先輩です。ファッションや美容への関心が高く、普段から一緒にショッピングするような間柄なら、振袖選びもきっと楽しいでしょう。初めて振袖を試着した時のお嬢様の嬉しそうな姿に、見守るお母様も幸せな気分に包まれるはず。母娘で振袖選びを進めるメリットや楽しみ方をピックアップしたので参考にしてみてください。
多忙なお嬢様を陰ながらサポート
最近の振袖選びは高校3年生からスタートすることが多く、お嬢様にとっては受験や就活と重なり忙しい時期です。高校卒業後から本格的に動き出すケースもありますが、この際も新生活に慣れるのに必死という状況が予想されます。そのため振袖選びはお母様が口火を切るのがおすすめ。そして温かく寄り添い、さりげなくエスコートすることで、スムーズに準備が進みやすくなります。
母娘の絆を深めるきっかけに
昭和から平成、令和へと時代が移りゆく中で、わたしたち日本人の暮らし方や価値観も大きく変化しました。ひと昔前と比べて現代は、「家族の絆」や「思い出づくり」を重視する傾向にあるかと思います。
高校生までは同じ家で暮らすことが多いですが、進学、就職、結婚、出産、子育て…とお嬢様のライフステージが進んでいくうちに、どうしても物理的な距離は広がりがちです。成人式はお嬢様が大人になる通過儀礼であるのと同時に、ご両親にとっては子育てを終える時でもあります。振袖選びは母娘が時間を共有できる貴重な機会。振り返った時、「一緒にできて良かったね」と思えるようなひとときにしてください。
今どきの振袖に母娘でわくわく
洋服と違って振袖は、成人式など何かきっかけがない限りはそう気軽に試着できるものではありません。連れ立って買い物をすることが多い母娘も、振袖の試着はとても新鮮なはず。最近は一緒にショッピングすることも随分減ったという母娘ならなおさらでしょう。
振袖とひと言でいっても、古典柄からトレンドのシンプルデザインまでバリエーションは実に豊富。帯揚げ、帯締め、半衿、重ね衿、髪飾り、バッグ、草履など合わせる小物も多く、コーディネートのしがいがあります。「これ可愛いね」「こっちも似合うよ」とあれこれ盛り上がりながら見て回ることができるのも女性同士の魅力です。振袖だけでなく、ヘアスタイルやメイク、ネイルなどを一緒に考えるのも楽しいですよ。
前撮りのお支度も一緒に
お母様がハタチの頃の振袖撮影といえば、成人式当日にバタバタと街の写真館に立ち寄って、大きな背景紙の前で2~3枚パチリ! というパターンが多かったかもしれません。現在は忙しい成人式当日は避けて、事前に前撮りを済ませておくのが一般的です。この方法なら、都合の良い日に合わせて家族全員でゆっくり撮影ができますし、本番の予行練習にもなってお嬢様も安心。
フォトスタジオも進化していて、何パターンものインテリアの中でおしゃれな写真が撮影できるほか、神社やお花畑など好きな場所でロケーションフォトが楽しめるところもあります。成人式当日の前祝いを兼ねて家族で記念撮影を満喫してみてください。
余裕があればお祝いの会食も
懐かしい友人たちとの再会に盛り上がる成人式当日。朝送り出した後は、家族でのんびり過ごす時間はあまりない可能性があります。そこでおすすめなのが、前撮りの後にひと足早くお祝い膳を頂いておくこと。普段なかなか行けない憧れのレストランや料亭で、特別なフルコースを味わえば家族の思い出になります。お嬢様1人で前撮りも、会食の予約も、となると大変なので、ぜひお母様がサポートを。
意見が合わない時はどうすればいい?
「成人式は人生でたった1度だけ。だからこそ我が子に1番似合う振袖を選んであげたい。」そう気合いが入るのは娘を持つ母親なら当然のことだと思います。しかし口を出し過ぎるのはNGです。お母様自身の過去の経験から、成人式の振袖はこうあるべき!という固定観念があるかもしれませんが、それを押し付けてしまうとお嬢様と意見が合わず喧嘩になってしまうことも。実際に起こりがちなトラブル例と、意見が対立してしまった時の対処法をご紹介します。
色や柄の趣味が合わない
近年多いのは、お母様は赤などの定番カラーに華やかな柄を施したもの、お嬢様は流行のくすみカラーで柄も控えめなものが良いという対立パターンです。どちらも譲らないと振袖選びが長引いてしまい、人気のデザインは在庫切れになってしまった…なんてこともあるので注意が必要です。
従来の成人式は若さと美しさの象徴としてより華やかな色柄を選ぶことが一般的でした。加えてお母様世代だと、古式ゆかしい古典柄が主流だったと思います。しかし価値観やトレンドは時代と共に変わるもの。令和の今は多様性の時代です。またお嬢様も18歳ともなれば自分の考えをしっかり持っています。仲良し母娘といえども好みが違うのは当たり前くらいに思っておいて、できる限りお嬢様の意見を尊重しましょう。ただしあまりにも礼を欠いたコーディネートになりそうな時は、人生の先輩として正すことも大切です。
購入派のお母様とレンタルで充分なお嬢様
昔は今ほどレンタルが充実していなかったため、振袖は買うものと思っているお母様もいるかもしれません。しかしお嬢様は、振袖を購入するお金があるのなら、車を買ったり貯金に回したいと感じているかも。もしくは両親の懐事情を懸念して遠慮している可能性もあります。
せっかくなら良い振袖を買ってあげたいと考えているお母様は、自身の成人式の時に購入してもらったのが嬉しくて、今も大切に保管されているのではないでしょうか。お嬢様が遠慮しているパターンなら、購入できるのはむしろ喜びなのだという気持ちを丁寧に伝えてみましょう。購入に乗り気でない理由がほかにあるのなら、一度レンタル品を見に行ってみるのもおすすめ。最近の貸衣装は、状態も良く種類も豊富なので充分満足できるかもしれませんよ。どちらにしてもよく話し合うことが重要です。
お母様の振袖を着る・着ない問題
お母様の中には、「自分が成人式の時に着た立派な振袖が家にあるからそれを着てもらいたい」と夢見ているケースもあるかと思います。確かに最近は母から娘に受け継ぐ「ママ振」も流行っていますが、先走るとトラブルの元です。どんなに高価で保管状態が良くても、お嬢様の好みに合っていなければ不満が募ります。
まずはお嬢様の意向を確認しておきましょう。あまりにも趣味が違っていたら無理強いは禁物です。反対にお母様の振袖を着ることに乗り気な場合は、早めに状態を確認して一度はクリーニングに出すこと。合わせる小物類も同様です。もしダメージが酷かったり足りないものがあれば、購入もしくはレンタルを検討しなければなりません。「ママ振は嬉しいけれどちょっと古臭いかも…」と感じる時は、帯だけは今のものに変えるだけでも一気にトレンド感が増しますよ。
お祖母様とお嬢様の価値観が違い過ぎる
着物に詳しい世代ということもあり、お祖母様も振袖選びに同席されることがあります。しかし、お祖母様はお母様よりもさらに伝統を重んじる傾向が強め。トレンドを押さえたコーディネートを自由に楽しみたいお嬢様と、小物1つ1つに昔ながらの細かいルールを持ち出しがちなお祖母様とで、感覚が違い過ぎる場合があります。
関わる人が多くなるほど意見はまとまりにくくなるものです。明らかに意見のすり合わせが難しそうな場合は、お祖母様には「当日のお楽しみ」だと伝えておくのも手。三世代で振袖選びを楽しみたい場合は、来店前にある程度お互いの考えを共有しておくのが良いでしょう。お祖母様とお嬢様の橋渡し的な役割をお母様が担うのもアリです。
2024年~2025年 最新のトレンド振袖はこれ
一見したところ似ている部分はなさそうな洋服と振袖ですが、実はトレンド面では共通点が多くあります。最近でいうと、くすみカラー&シンプルな洋服に目が留まるかと思いますが、振袖も同じようなデザインが人気です。華やかな古典柄の振袖が一般的だったお母様世代からすると、もしかしたら少し控えめな印象を受けるかもしれません。しかしこれが今のトレンドだとあらかじめ知っておけば、お嬢様がなぜこの振袖を選んだのか理由が飲み込みやすくなります。お母様も振袖のイメージをアップデートして、お嬢様と一緒に最新のコーディネートをチェックしてみましょう。
くすみカラー
近年、人気が急上昇しているくすみカラー(ニュアンスカラー)。パステルカラーに淡いグレーを混ぜたような、彩度の低いくすんだ色味が特徴です。洋服やメイクなどファッション業界をはじめ、雑貨、インテリアにも幅広く使われています。振袖もその影響を受け、2021年頃からブームが継続中。振袖のトレンドは約5年ごとに移り変わるといわれているので、まだまだ人気は続きそうです。
くすみカラーの良いところは、日本人の肌によく馴染み顔色を明るく見せてくれるところ。派手な色に顔が負けてしまい振袖だけが浮いて見える…ということもありません。また、落ち着いたカラーはお嬢様を優しく上品に見せてくれます。レース、チュール、リボンなどを合わせた今どきのコーディネートとも相性◎。
色無地・柄が少ない振袖
柄がいっさい入っていない色無地の振袖も流行しています。シンプルな中にもさりげなく個性を出したいお嬢様には、生地の織り方で模様を描き出す「地紋」だけが入った振袖や、裾や肩にだけワンポイント的に柄が施されたものもおすすめです。振袖がシンプルな分、小物やヘアメイクに遊び心を加えやすいのが魅力的。色柄がはっきりした帯周りのアイテムやバッグ、ちょっぴり個性的な髪飾りもやり過ぎな感じではなく、程よいアクセントとして効いてきます。
バイカラー
バイカラーとは、色数を2色程度に絞ったもののこと。振袖といえばさまざまな色を使った華やかなイメージがありますが、シンプル路線が流行中の現在は少ない色で大胆にデザインした振袖が話題です。大胆といっても色数が抑えられているため、すっきりとまとまった印象。こちらも帯や草履などの小物が映えます。
ワントーンコーデ
昔ながらの装いだと、振袖と帯はメリハリを重視して反対色を用いたりするのが定番でした。しかし令和に入った頃から、振袖、帯、小物に至るまで、あえて同じ色または同系色でまとめたスタイリッシュなコーディネートが増えてきています。ワントーンコーデには、すらりとスタイルが良く見える、上品、大人っぽい雰囲気が演出できるといった魅力があります。
ヴィンテージ(古典柄)
戦後に作られた少し古い振袖のこと。お母様の振袖を着直す「ママ振」もこれに当たります。ヴィンテージの良い点は、現在の振袖とは違うレトロな雰囲気や、職人の手による一点ものが多く友人と被ることがまずないところ。トレンドとは少し異なりますが、古典柄というのは時代に左右されずに着られるものなので、現代の成人式で着ても魅力は健在です。
まとめ
成人式は家族にとっての一大イベント。せっかくなら母娘で支え合いながら、運命の振袖に巡り合いたいですよね。昔と比べると振袖の種類も着こなし方も随分変わってきています。その変化を「面白い!」と積極的に受け入れることが、お嬢様と振袖選びを楽しむコツ。お母様は子育ての集大成として、お嬢様は親孝行のつもりで、お互いを想い合って準備に臨めばきっと一生忘れられない宝物のような時間となるはずです。