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2023.03.16
コラム

振袖で結婚式へ参列しよう

大切な方の結婚式。「せっかくなら振袖姿で参列して、会場に華を添えるお手伝いがしたい」、そう考える方もいるかと思います。しかし、「結婚式向けの振袖ってどんなもの?」「何歳まで着ていいのか分からない」と疑問が多く、結局無難にドレスで参列…というパターンもよく耳にします。そこで今回は、お呼ばれにふさわしい振袖についてご紹介します。基本的なマナーを押さえて、ぜひ振袖での参列にチャレンジしてみてください。

【目次】
1 振袖ってどんな着物なの?
2 振袖で結婚式に参列するのにおすすめ&NGなファッション
3 振袖の立ち居振る舞いマナー
4 まとめ

振袖ってどんな着物なの?

未婚女性が着られる着物の中で、最も位が高い第1礼装が振袖です。振袖といえば成人式のイメージが強いかもしれませんが、きちんとした正装なので結婚式のお呼ばれに着ていっても全く問題ありません。特にホテルや神社など格式高い場所で執り行われる結婚式には最適なフォーマルウェアです。

会場に華を添えるのにぴったり

数ある着物の中でも一番の正装というだけあって、振袖はどんな人が着ても華やかで気品に満ちあふれた装いになります。振袖姿で現れるだけで会場がぱっと明るくなり、祝福ムードも倍増。受付やスピーチなどゲストの中でも特別な役割を任されている場合は、きちんとしたドレスアップやその場に華を添えることも肝心なので、振袖を選んでおけば間違いありません。新郎新婦の親戚など目上の方にも好印象で、きっと喜んでもらえるはずです。
着物は独特のしきたりが多く、着付けにも手間がかかりますが、新郎新婦のために費やした時間そのものが祝福の気持ちとなって相手に伝わります。心からのおめでとうを表し、新郎新婦やご家族、その他のゲストにもしっかりと礼を尽くしたい時には、ぜひ振袖を選ぶことをおすすめします。

振袖を着られるのは何歳まで

先にも述べた通り、振袖は未婚女性のための着物です。そのため理屈としては、結婚していなければ何歳まででも着てOKということになりますが、昔は「未婚=10代20代」という認識だったため、振袖は華やかで可愛らしいデザインが多めです。未婚女性の年齢層が幅広くなった現代では、実際のところいつまで着られるのか悩ましいところですが、デザインを考えるならやはり20代までにしておくのが無難。年を重ねていくうちに似合う洋服が変わっていくように、着物にもしっくりくる年齢というものがあります。しかし最近は実年齢よりも若く見える方も多いので、30代前半くらいまでなら振袖を着ても違和感がないケースも。もし30代に差し掛かってからどうしても振袖が着たいとなった場合は、大人の女性にふさわしい落ち着いた色柄のものを選んだり、帯の結び方を「お太鼓結び系」や「文庫結び」のようにシンプルなものにするのが良いでしょう。逆に、既婚だけどまだ20代だから振袖を着たい!という方もいるかもしれません。慣わしというものは時代とともに変わっていくものですが、現在だとまだ避けたほうが良い傾向にあります。友人中心のパーティならともかく、マナーを気にしそうな年配のゲストが多そうな結婚式では止めておくのが吉。無理を通すと、自分だけでなく新郎新婦にも恥をかかせることになりかねません。節度を守った装いを心がけましょう。

振袖3つの種類。どれを選べばいいの?

ひと言で振袖といっても、実は袖の長さによって3つの種類に分かれていることをご存じでしょうか。最も袖が長くて格が高いのが「大振袖」で、いわゆる花嫁衣装にあたるもの。みなさんがよく目にする成人式の振袖は、2番目に袖が長い「中振袖」で、結婚式や格式あるパーティへ参列する時にふさわしい装いとされています。一番袖が短い「小振袖」は、卒業式の袴に合わせるもので、それぞれ使えるシーンは別。結婚式にゲストとして参列する場合は、花嫁衣装より1つ格下の「中振袖」を選ぶようにしてください。


■ それぞれの袖の長さ
大振袖…約114~124cm
中振袖…100cm前後
小振袖…85cm前後

振袖で結婚式に参列するのにおすすめ&NGなファッション

結婚式の主役はあくまでも花嫁。ゲストは華やかでありながらも、一歩下がった装いに徹するのがマナーです。

参列におすすめな色や柄

花嫁を引き立て、会場で悪目立ちすることもない振袖というと、やはり落ち着いた地色とやさしい色柄が基本です。ただし地色が見えなくなるほどたくさん柄が施されているものも多く、地色に控えめなカラーを選んでも派手な印象になってしまうことがあります。そのため参列用の振袖を選ぶ際は、色だけでなく柄の入り方にも気を配ることが大切です。柄数を抑えた上品な振袖をまとうようにしてください。また、新郎新婦との関係性や会場の雰囲気によってもベストな振袖が変わってくるので、それぞれに合ったデザインをセレクトすることも重要です。


■ 
親族として参列する場合
新郎新婦の姉や妹などの親族は、ゲストをお迎えする主催者側の立場。花嫁だけでなく、その他のゲストよりも控えめに装いながらも、格式は高く保つことがポイントです。気品を感じさせる控えめな地色に、おめでたい吉祥文様などの古典柄を施した振袖が良いでしょう。


友人や同僚として参列する場合
お祝いの気持ちが伝わるよう、派手になりすぎない程度の明るいカラーを選ぶのがおすすめ。柄は慶事の定番である吉祥文様でも良いですが、親族とかぶらないよう配慮するなら、洋花などのモダンな柄も◎。


一流ホテルや由緒正しい結婚式場でのウエディングの場合
鶴や松竹梅に代表される吉祥文様、円や六角形といった図形を中心に構成される有職文様など、日本伝統の古典柄なら会場のきちんとした雰囲気とも釣り合います。


レストランやガーデンウエディングの場合
古典的な花柄をモダンにアレンジした振袖や、洋花をモチーフにした振袖もお似合いです。やりすぎない程度にさり気なく個性を演出してOK。

参列にNGな色柄

地色や柄色に、白や赤などが多く入っている振袖は、花嫁衣装とかぶりやすいので要注意。黒い振袖も親族が着る黒留袖とイメージが重なりがちなので避けるのがベターです。実は着物は洋服とは別物で、参列用ドレスでよくNGとされている白でも問題ないという意見もあります。しかし着物に詳しくない方から、「白はちょっと非常識では…」と思われる可能性もあるため、万全を期すなら別の色を選ぶのがおすすめです。また、花柄は振袖でも人気ですが、季節感が合っていないと無粋だと見なされることもあります。柄は実際の季節よりも先取りするのが粋だということを覚えておきましょう。その他、桜は「桜散る」ということで縁起を気にする方もいるかもしれません。出席者の顔ぶれ、家柄や土地柄を考慮して取り入れてください。

アクセサリー

着物の世界では基本的に指輪以外のアクセサリーはマナー違反だとされています。ネックレスは衣紋から見えると不自然ですし、ゆれるタイプのピアスも着物とはあまり相性が良くないので外しておきましょう。振袖には帯留めも合わせません。振袖はそれ自体に存在感があるので、アクセサリーがなくても十分華やかに装えます。

時計

時計も着物をまとっている際は外しておくのがベスト。何も付けていないほうが、手首の動きがきれいに見えます。

バッグ

殺生を連想させる皮を用いたバッグはNGです。振袖に合わせた和装用のフォーマルバッグを持ちましょう。しかしそれだけだとあまり物が入らないため、上品なデザインのサブバッグもあると便利です。ご祝儀袋、お財布、スマートフォン、ハンカチ、リップ、絆創膏、クリップ(お手洗いの際にあると便利)、予備の足袋などが入る程度の大きすぎないものを選んでください。

ネイル

あまりにも派手だと悪目立ちしてしまいます。振袖と雰囲気の合った品の良いデザインがおすすめです。清潔感も大切に。

ヘアスタイル

振袖が華やかな分、髪型はシンプルなスタイルにしておくとバランスが取れます。振袖に合わせた髪飾りで少し特別感を足すくらいが上品です。

振袖の立ち居振る舞いマナー

振袖を着ている時は、いつも以上に所作に気を配ることが大切です。正しいマナーを意識して振る舞うことで、振袖の魅力もさらに引き立ちます。成人式ですでに振袖を着たことがある方は、その時のことを思い出しながら過ごしてください。


食事編

■ 乾杯の仕方
乾杯の時、そのままグラスを掲げると袖がダラリと下がって腕や肘が露出してしまいスマートではありません。手を上げる場合は、反対の手で袖をそっと押さえて下がってこないようにしましょう。


■ ナフキンの使い方
食事の際に一番心配なのは、やはり振袖を汚してしまわないかということ。食べこぼしを防ぐためには、まずなるべく一口サイズに料理を切り分けて口へ運ぶこと。そして膝にナフキンを掛けておくことが基本です。この時にナフキンの両端を着物に挟んでおくと滑り落ちにくくなります。胸元の汚れを避けたい場合は、衿の合わせにナフキンを挟むのも手ですが、マナー違反とされることもあるので周囲の状況に合わせて対応しましょう。


冷たいドリンクの飲み方
結露したしずくが振袖に落ちないよう、グラスの底に紙ナフキンを添えるのがおすすめ。そうすることで自然と両手で持つことにもなり、見た目も上品です。


遠くにある料理の取り方
遠くの料理を取る時は、必ず反対の手で袖を押さえてください。何もせずに手を伸ばしてしまうと、長い袖が料理について汚れてしまうことがあります。無理せず周囲の方に取ってもらうのもアリです。

座り方

椅子の背もたれに寄りかかると、せっかくのきれいな帯がつぶれてしまいます。椅子に腰かける時は、かなり浅めに座って背筋をピンと伸ばすようにしましょう。袖はひざに重ねて置いておくと床に付かず安心です。振袖は座っているうちに裾がはだけやすくなってくるため、脚はなるべくぴったり揃えておくこと。正座の場合は上前を少し引き上げ、振袖がひざに引っ張られないよう座ります。両脚はきちんと揃えるように。

歩き方

背筋をすっと伸ばして顎を引き、内股気味に歩くと上品です。歩幅はできるだけ小さく、半歩くらいで踏み出すよう心がけましょう。洋服感覚の大股やダッシュは、品に欠けるだけでなく着崩れの原因にもなるので厳禁。

お辞儀の仕方

まずはきちんと背筋をのばし、おへそ辺りに力を入れて上体を静かに傾けます。両手は帯の前で重ねて、両足はつま先を揃えること。頭だけを下げると見た目が美しくなく、あまり気持ちがこもっていないようにも見えるので、しっかり腰から傾けてください。

物の拾い方

どちらか片方の手で裾と両袖を持ち上げ、地面につかないよう注意しながら腰を落とし拾います。体を少しななめに傾けると拾いやすく、周囲から見た時にもエレガントです。前かがみになると着崩れの原因にもなるので気をつけましょう。物を落とすと気持ちが焦るかもしれませんが、慌てずゆったり動くことが肝心です。

トイレの済ませ方

振袖を着ている時は、広めの洋式トイレを選ぶのがベスト。洋服の時と同じ要領で済まそうとすると大きく着崩れてしまうので、いくつか段階を踏んで慎重に動きましょう。

① 帯締めの間に袖を下から通してはさみ、床につかないようにします。
② 振袖、長襦袢、裾避けをまくり上げ、クリップで帯締めに留めておきます。うしろも同じようにクリップで留めておくと座りやすいです。
③ 用を足し終わったら、裾避け、長襦袢、振袖を1枚ずつ整えながら下します。
④ 手を洗う時も両袖をクリップで留めておけば濡れずに安心。クリップを持っていない場合は、両袖を帯締めに挟みこんでもOKです。

まとめ

いかがでしたか。振袖は場に華やぎを与え、お祝いムードを盛り上げてくれる特別な衣装です。振袖姿のゲストが1人いるだけで、ウエディング全体の印象も格上げされるので、きっと新郎新婦やそのご家族にも喜んでもらえるはず。寒さが和らぎロケーションも美しくなるこれからの季節は、結婚式が増えてくるタイミングです。成人式の振袖が使えそうな方や、大切な家族や友人をきちんと祝福したいという方は、ぜひ振袖での参列を検討してみてください。