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お知らせCOLUMN

2024.03.15
コラム

振袖に描かれる柄の魅力

みなさんは振袖を選ぶ時どこに注目していますか。直感で選ぶのももちろん楽しいですが、柄に注目してみるとより深く振袖の魅力を知ることができます。今回は振袖に描かれている柄の種類や意味、実際のコーディネート例などをご紹介していきます。

【目次】
1 振袖の柄
2 振袖で人気のある柄
3 山正山﨑おすすめ振袖コーディネート集
4 まとめ

振袖の柄

振袖と聞いて思い浮かべるのはどんなイメージでしょうか。しっとりと落ち着いた古典的な装い、和洋折衷のモダンなコーディネートなどいろいろあるかと思います。そんな全体の印象を決定づけるものの1つが「柄」です。柄の特徴を知ることで、また違った視点で振袖選びが楽しくなることでしょう。

古典柄の振袖

日本に古くからある伝統的な柄のことをまとめて古典柄と呼びます。文様には1つひとつおめでたい意味が込められており、大人になったことを祝う成人式にぴったり。地色も昔ながらの赤や紺、黒、黄色など落ち着いたカラーが一般的で、奇抜な色味はほとんど使われません。全体的に優雅で格調高く、幅広い世代から支持されています。流行に左右されることなくいつの時代も着られるため、振袖を購入される方は古典柄を選ぶことが多めです。古典柄の中にも京友禅や加賀友禅、総絞り、辻が花、総刺繍などさまざまな種類があります。

新古典柄の振袖

新古典柄は、古典柄に現代的な感性をミックスさせたやや新しい柄です。新しいといってもすっかり定番化しており、古典柄と呼ばれる振袖の中に新古典柄が交じっていることも少なくありません。裾にかけて地色がグラデーションになったものなどがこちらに当たります。古典柄よりも親しみやすく可愛らしい雰囲気のものが多く、今どきなデザインの帯や小物も合わせやすくなっています。古式ゆかしい和の趣を大切にしながらも、今風なテイストもさりげなく楽しみたいお嬢様におすすめです。

レトロモダン柄の振袖

ここ数年トレンドとなっているレトロモダン柄。海外のアール・ヌーヴォーやアール・デコの影響を受け、大正時代から昭和初期に誕生したもので、昔ながらの振袖にはない斬新なデザインが目を引きます。バラなどの洋花、水玉、チェック、ボーダー、ハートといった洋風なモチーフを、大きく&ビビットな色合いで描いたものがよく見受けられます。近年人気を集めているレースやリボンをあしらった半衿やブーツもよく似合います。お友だちと被らない、個性的なコーディネートを求めるお嬢様にぜひ。

振袖で人気のある柄

振袖を彩る柄は単なる飾りではなく、多幸の祈願、魔除けなどの意味合いもあります。そのため柄に込められた想いを知った上で振袖を選ぶことはとても大切です。まずは特に人気の高い振袖の柄をご紹介します。

~花柄~
振袖の柄で最も多いのが花の文様です。女性らしい雰囲気や、自然が持つ四季折々の魅力を存分に楽しむことができます。非常にたくさんの種類がありますが、共通するのは「花のように美しく華やかに、たくさんの人に愛される女性になってほしい」という願いです。


毎年たくさんの花を吹かせ、春の訪れを告げてくれる桜。日本を代表する花ということで古くからとても人気があります。桜の名前には、稲の神様「さ」が宿る「くら(蔵)」に由来する説があり、そこから転じて桜柄には五穀豊穣を願い、新しい門出を祝うという意味があります。縁起の良さや見た目の可愛らしさが、ハタチのお祝いにぴったりです。

■菊
菊は皇室の御紋にもなっているほど高貴な花です。元は中国から薬草として日本に伝わり、邪気を払う花・長寿のシンボルとして多くの人に愛されてきました。ころんと丸い形が可愛らしい万寿菊、華やかに大胆な柄として描かれる乱菊など、表現の幅も広く選びがいがあります。


冬の寒さに負けずいち早く花を咲かせることから、逆境に耐える強さや気高さの象徴とされています。また、殺菌・解毒作用があるため昔から百薬の長として重宝されており、そこから清らかなイメージも定着しています。現在、日本の花といえば桜を連想する人が多いかもしれませんが、奈良時代の頃は「花といえば梅」というほど広く愛されており、やはり日本人にとって馴染み深い花です。

牡丹(ぼたん)
牡丹は大きく花開く様子が美しく、「百花の王」とも称されています。はるか昔から唐草文様にも使われており、柄としての歴史は非常に長い花です。その力強くも可憐な咲き姿から、高貴さや富貴、幸福、豪華絢爛のシンボルになっています。

菖蒲(あやめ・しょうぶ)
まっすぐに伸びる葉が魔を払う剣に見えることから、魔除けや長寿の象徴とされています。また、音の響きが同じ「勝負」にちなんで甲冑や武具などにも多く用いられるなど、武家にも愛された花として有名です。花、茎、葉とすべての箇所が図案化されて用いられています。


平安時代に活躍した貴族、藤原氏の繫栄とともに高貴な花として知られるようになったのが藤です。音の響きが同じ「不死」にかけて、長寿や子孫繁栄を願う柄として親しまれています。下へ流れるように咲く様子を、天と地を結ぶものに見立てて敬うこともあります。

バラ
モダンな柄の代表格であるバラ。女性の美しさや華やかさ、艶やかさをいっそう引き立ててくれます。振袖に描かれるバラは、赤、ピンク、白の3色が多く、色によって意味が変わります。赤いバラは愛情や情熱、ピンクは淑やかさ、白は純潔を意味します。バラと言うとゴージャスなイメージがあるかもしれませんが、シックでシンプルな柄もたくさんあります。色ごとの意味合いをふまえながらお好みのデザインを選んでください。

 ~吉祥文様~
日本古来から存在する伝統的かつおめでたい柄のことを吉祥文様といいます。縁起が良いとされる動植物や物品を図案化したもので、成人式や結婚式などの慶事に最適だとされています。


橘はみかんの仲間で、果実や花が文様化されています。日本由来の数少ない文様の1つとしても有名です。古事記の中で不老不死の理想郷に自生する植物として描かれており、古くから長寿や子孫繁栄などの吉祥の意味を持ちます。着物のほかにも、家紋にもよく用いられています。


扇はその広がった様子から、末広がりに運気が良くなる、明るい将来、繁栄などを表します。また、あおいで風を起こす=悪いものを吹き飛ばし、福を招くという意味もあり、金運アップの柄とも言われています。振袖の場合は、花柄と組み合わせた「花扇」が用いられることが多いです。

熨斗(のし)
熨斗は慶事の贈答品に添えられる縁起の良い飾りです。元になっているのは「熨斗あわび」という神様へのお供え物で、長寿の象徴として大切にされてきました。柄としては帯を何本も束ねた「束ね熨斗」が主流。良いご縁に恵まれ、多くの人から祝福され、その幸せを周りの人と分かち合えますようにという願いが込められており、まさに成人式にぴったりです。

貝桶
平安時代に人気を博した貝合わせという遊びで使う、貝をしまっておくための入れ物のことを貝桶と呼びます。中世には嫁入り道具の1つに数えられ、夫婦円満のシンボルになっています。貝桶は刺繍できらびやかに表現されたものが多く、その美しさからおめでたい席にふさわしい柄となりました。

御所車・花車
御所車は貴族がお出かけする際に使っていた牛車のこと。これを花で飾って絢爛豪華に仕上げたものを花車と呼び、幸せがあふれるといった意味を持ちます。貴族が愛した道具を図案化した王朝文様の1つでもあり、まとう人に高貴で優雅なイメージを与えてくれます。古典柄の代表格です。

松竹梅
真冬でも深緑の葉を繁らせる松、天に向かってまっすぐ成長して1年中青い葉をつける竹、寒さの中で真っ先に咲いて春を告げる梅。この3つの縁起物を組み合わせた伝統的な柄です。忍耐力と生命の輝きという意味合いがあり、お嬢様の大人の門出にふさわしい文様だといえます。

山正山﨑おすすめ振袖コーディネート集

山正山﨑が自信を持っておすすめする振袖コーディネートの数々をご紹介いたします。振袖選びの参考にしてみてください。

▲絢爛豪華な花々と鞠をコラボレーションさせた優雅な1着。黒とグレーの帯や柄ゆきが全体を引き締めるアクセントとなり、大人っぽい雰囲気も感じられます。ポイントごとに配された絞りが贅沢な印象。

▲黒地に色とりどりの柄が映え、落ち着いたイメージの中にも華やかさが光ります。花束を思わせるような四季の花々がとても上品です。長寿の象徴である亀甲文様や、知恵や知識を表す巻物の柄も散りばめられています。

▲淡い藤色の地色と、可憐な花柄が品よく調和。細やかに柄を配した振袖に対し、大ぶりな鞠をあしらった帯を合わせることで、メリハリが効いています。流行のスモーキーカラーにパールの重ね衿を合わせた、トレンド感たっぷりのコーディネートです。

▲松竹梅などの古式ゆかしい柄を流行カラーで描き出すことで、今どきな雰囲気にブラッシュアップ。やわらかな色合いの水色とピンクの組み合わせも新鮮です。日本の伝統美を令和の感覚で楽しみたいお嬢様におすすめ。

                                                     

▲黒×ゴールドを基調とした色使いや、そこに咲く大輪の菊がこの上なく高貴な印象。さり気なくあしらわれた鶴や亀甲の柄が、おめでたい雰囲気も盛り上げてくれます。意匠を凝らした帯留めもハイセンス。

▲ゴージャスでありながらも奇抜にならない、上品なシャンパンゴールドが◎。日本人の肌によく馴染みます。花柄の描かれ方も非常に繊細で、大人の女性らしい気品たっぷり。大胆にあしらわれた束ね熨斗も印象的です。

▲ころんと愛らしい鞠や、それに呼応させたような丸い花束など、円をテーマにしたデザインが技ありな印象です。艶やかな黄土色の振袖によく映える、藤色の帯揚げ&黒の半衿も洗練されたイメージを引き立ててくれます。

▲白からグレーへと変化する地色が、控えめながらも美しい振袖です。そこに桜や梅、菊など日本を代表する花々が品良く描かれています。渋みのある帯や、ちょっと珍しいベルベッド生地の帯揚げも、お嬢様を大人っぽく見せてくれます。

▲こっくりと深いワインレッドの振袖にシンプルなデザインの帯を合わせた、重厚感のあるコーディネート。写実的に描かれた芍薬や松の柄も、全体の雰囲気にぴったりマッチしています。半衿は可愛らしい牡丹の柄、髪はカチューシャを合わせたダウンスタイルにして、重くなり過ぎないよう工夫。ハタチの女の子らしい初々しさも光ります。

まとめ

いかがでしたか。今回は振袖の柄について詳しく解説しました。パッと見ただけでは同じように思える柄も、そこに込められた意味を意識してみると、より振袖選びが面白くなるのではないかと思います。これから振袖をお探しの方は、代表的な柄だけでも押さえておくことをおすすめします。振袖の柄についてもっと知りたい方は、ぜひ山正山﨑までお気軽にお問い合わせください。