振袖は色や柄、合わせる帯や小物によってさまざまなイメージが演出できる日本の晴れ着です。お顔立ちや好みに合わせてコーディネートすることで、お嬢様の魅力がぐっと輝き、自信を持って成人式に臨むことができます。そこで今回は、大人の女性らしいクールなイメージが際立つ振袖のデザインや、帯などの合わせ方をご紹介。かっこいい系のコーディネートを目指す方はぜひ参考にしてみてください。
【目次】
1 クールな雰囲気を演出しやすい振袖とは
2 帯や小物、髪型でかっこいいイメージを演出するコツ
3 振袖かっこいい系コーディネート集
4 まとめ
クールな雰囲気を演出しやすい振袖とは
成人式は一生に一度のハタチの記念。この機会に「大人の女性だからこそ似合うかっこいい系のコーディネートに挑戦してみたい!」と考えるお嬢様もいるかと思います。クールなイメージが際立つ振袖とはどのようなものなのか見ていきましょう。
振袖かっこいい系の色
■黒色
かっこいいイメージの色といえばまずは黒色。古くから親しまれてきた振袖の定番色です。夜空のように静かでどこか神秘的な雰囲気もあり、大人の女性ならではの気高さを強く印象付けられます。また、何色にも染まらない黒色には、「力強い」「重厚」などのイメージもあってインパクトも充分。それでいてほかの色を引き立てる効果もあるので、帯や小物のコーディネートも楽しいかと思います。黒色が特に似合うのは、パーソナルカラーがブルべ冬タイプの方です。白く透き通った肌と漆黒の瞳を美しく見せてくれるといわれています。それではその他のタイプだと似合わないかというとそういうわけではありません。黒色は主役にも引き立て役にもなれる色。配色パターンで印象が大きく変わるという特徴があります。例えば、黒い面積が大きい振袖だとなんとなくしっくりこないという方なら、ほかの色とのバイカラー(2色使い)や柄をふんだんに施したデザインを選ぶのがおすすめ。また、地色ではなく柄に黒色を持ってくるのも良いでしょう。
■紺色
黒色と同様、紺色も日本の伝統的な色の1つです。青色よりも深みがあり、安らぎと気品に満ち溢れています。また、紺色は制服などでもお馴染みのカラーなのでチャレンジしやすく、誰にでも似合う万能カラーでもあります。黒色だと理想通りの着姿にならないというお嬢様は、紺色を試してみるのも良いかもしれません。ほかの色との相性もとても良く、さまざまなコーディネートが楽しめます。
■緑色
寒色系と暖色系のちょうど中間にあたる緑色は、パーソナルカラーのタイプを問わず万人に調和する色です。木々などの大自然の色でもあるので「癒し」のイメージもあり、多くの方に支持されています。その中でもかっこいいイメージを演出するのにおすすめなのが、深緑や抹茶色などの渋めのカラー。優しい雰囲気の中にも凛とした美しさがあり、お嬢様を格調高く見せてくれます。
■紫色
古来より非常に高貴な色として重宝されてきた紫色。聖徳太子が定めた冠位十二階では紫色は最上位の色とされていました。海外においても紫色の染料はとても貴重だったため、富と権力の象徴であったといいます。また、紫色には「ミステリアス」「セクシー」などのイメージもあり、大人っぽく見せたい方にぴったり。また、「芸術的」な印象も強いので、ほかの人とかぶらない個性的なコーディネートを極めたいお嬢様にもおすすめです。
■茶色
近年人気のアースカラーの中でも、クール系のコーディネートにぴったりなのが茶色です。落ち着きと温もりを感じさせながら、モダンなイメージも演出できます。茶色の振袖はちょっと珍しいので、周りと被ることもあまりありません。さりげなく個性を発揮することができます。
■グレージュ
今っぽいカラーでかっこよく決めたいお嬢様にぜひ試してもらいたいのがグレージュ。名前の通りグレーとベージュをミックスさせたような色で、クールな中にも温かみがあります。トレンドのくすみカラーなので、この色を選ぶだけで旬の装いに。ほど良い抜け感があって、とてもおしゃれな印象にまとまります。
■白色
白色はかっこいい系にもかわいい系にも寄せられる変幻自在なカラー。特に混じりけのない純白だとキリっとした雰囲気があって、クールな着こなしにマッチします。さらに振袖の柄や帯が黒色もしくは渋めの色だと大人っぽさがアップ。金糸や銀糸を多用した帯や小物を選ぶとラグジュアリーなイメージも増します。
振袖をかっこよく見せるポイント
■色数を絞る
着物を着る機会が少ない方からすると、振袖をかっこよくコーディネートと言ってもどうすれば良いのか分からないことも多いはず。そんな時は洋服に置き換えて考えてみると分かりやすいでしょう。洋服も白黒のモノトーン配色や、シンプルな色使いなものはスタイリッシュに見えるかと思います。それは振袖も同じで、色数をできるだけ少なく抑えたデザインを選ぶとかっこよく見せやすくなります。色の数が増えるほど華やか&かわいらしい雰囲気になり、減るほどすっきり落ち着いて見えることを覚えておきましょう。
■柄に金箔を施したものを選ぶ
色数を抑えたシンプルなデザインに、金箔をポイント使いした振袖もかっこよく見えます。洋服で例えるなら、ブラックコーデのアクセントにゴールドアクセサリーを合わせたようなイメージです。都会的な雰囲気もぐっとアップします。
かっこいい系の振袖を選ぶ時の注意点
成人式の振袖といえば、華やかでかわいらしいイメージを持つ方も多くいます。特にお母様やおばあ様世代はそういった傾向が強いので、スタイリッシュな振袖を選ぼうとすると意見が対立してしまうことがあります。そういったことを防ぐため、事前に家庭内で意見交換しておくのがおすすめです。多様化する美の価値観を家族みんなで共有し、理想に合った振袖を探してみてください。
帯や小物、髪型でかっこいいイメージを演出するコツ
理想通りのコーディネートを叶えるには、振袖だけでなく帯や小物、髪型もしっかり考えなければなりません。ポイントをしっかり押さえて、自分らしいかっこいい振袖姿を完成させましょう。
■かっこいい帯の結び方
振袖姿において帯は「第2の顔」といっても過言ではないほど重要なアイテム。どんな結び方をするのかでイメージが大きく変わります。振袖の帯結びには大きく分けて、お太鼓系、文庫系、立て矢系の3種類がありますが、かっこよく決めるなら立て矢系の結び方がぴったり。斜めに傾いた大きな蝶結びが、矢を背負っているように見えるためこの名で呼ばれています。シンプルでありながら立体感があり、ゴージャスな雰囲気も楽しめるのが特長です。元は大奥の女中がしていた結び方なので、ドラマや映画で見たことがある方もいるのではないでしょうか。現代では立て矢結びから派生したアレンジ結びも豊富になっています。羽根の数を増やしたり、広げ方を調整することでニュアンスを変えられるので、着付け師と相談してみてください。
■かっこいい印象をつくる小物
帯ほど面積は大きくありませんが、帯締めや帯揚げなどの小物も全体の印象を左右します。かっこよくコーディネートしたい場合は、シンプルなデザインやキリっとした色合いのものを選ぶのがおすすめ。例えば、大胆な柄が配されていることが多い黒や白の振袖なら、小物は柄を引き立てるためにシンプルなものを選ぶと好バランス。柄と同じ色で小物も統一すると、色同士がけんかすることなくまとまって見えます。クールな中に爽やかなイメージもある青や緑の振袖なら、黒や赤などはっきりしたカラーの小物がマッチ。小花柄など女の子らしさもあるデザインを選べば、大人かわいいイメージにも寄せられます。どの程度かっこよく見せたいかによって合わせる小物をセレクトしてください。
■かっこいい雰囲気の髪型
クールなイメージにこだわるお嬢様に近年人気なのがハイポニーテール。頭の高い位置からすとんと髪を垂らしたシンプルなヘアスタイルです。特に黒髪のストレートヘアだとかっこいい雰囲気になります。水引や組紐などで髪を束ねたり、アレンジの仕上げに金箔や銀箔をあしらったりするのも令和のトレンド。ネットやSNSでも話題になっているので参考にしてみましょう。
振袖かっこいい系コーディネート集
ここからは振袖かっこいい系コーディネートの実例をご紹介します。すべて山正山﨑が自信を持っておすすめする逸品ぞろいです。かっこいいとひと言で言ってもバリエーションはさまざまなので、自分はどんな雰囲気が理想なのかイメージを膨らませてみてください。
▲黒色×ぼんやりとしたえんじ色の組み合わせが、独特の風情を生み出します。落ち着いたカラーで繊細に描かれた花柄もとても印象的。帯やその他の小物も渋めのカラーにすることで統一感のあるコーディネートに。
▲かっこよさと女性らしいやわらかなイメージを兼ね揃えた絶妙な1着。グレージュの地色と色味を抑えた美しい花柄が、この上なくエレガントな空気を醸し出します。赤色や黒色を基調にした小物が良いアクセント。
▲光の加減によって黒色にもダークグリーンにも見える大人の振袖。大輪の花々が本物のように艶やかで、強いインパクトを放ちます。シンプルな白色の帯もとても鮮烈で、凛とした美しさを感じさせます。
▲優しいベージュの地色にころんと愛らしい梅の柄が咲き誇ります。ともするとキュートにも見えそうなデザインですが、白色・黒色・ゴールドの3色のみで柄が描かれているためシックな印象に。ハンサムな雰囲気の帯もベストマッチ。
▲モノトーン調の大人かっこいい振袖。重厚感がありながらも、地色は白なので重くなり過ぎず華やかに装えます。ロイヤルブルーの帯揚げを差し色にすることで、全体にメリハリが生まれていっそう印象深いコーディネートになっています。
▲しっとりと落ち着いたくすみピンクと黒色のバイカラーが個性的。控えめに施された柄も新鮮で、逆に存在感があります。くすみカラーやシンプルなデザインは近年のトレンドなので、今風に装いたいお嬢様にぴったりです。
▲黒地のかっこよさと、淡い花柄のやさしいイメージが絶妙なバランスで融合。女性らしさもしっかり感じられる振袖です。ガーリーな帯揚げと重ね衿を合わせることで若々しさもアップ。
▲艶やかで深みのあるえんじ色の振袖。左右の袖の色をあえて変えた技ありな配色がユニークです。渋めのカラーで描かれた菊と、アーティスティックなデザインの帯が調和しています。
▲1枚の現代アートをそのまま振袖にしたようなデザインが斬新。抽象的な模様が唯一無二の存在感を放ち、大勢の中でもぱっと目を引きます。振袖の魅力を最大限引き立てるよう、帯揚げ&重ね衿は柄に合わせたシンプルなものに。
▲絢爛豪華な模様がとても華やかで、お祝いの席である成人式にぴったり。一方、地色がこっくりと深い紫色なので落ち着きも感じられます。ピンクの半衿や重ね衿、帯締めでハタチの女の子らしい可愛らしさも添えて。
まとめ
いかがでしたか。今回は数ある振袖コーディネートの中でも、特にかっこよさにこだわった装いについてくわしく解説しました。近年シンプル志向の高まりから、洋服もモノトーン調や落ち着いたカラーのものを選ぶお嬢様が増えています。そういった方にとっては、かっこいい系の振袖は馴染みやすいのではないでしょうか。多様なデザインから自分に合ったかっこいい振袖を選び、成人式に自信を持って臨みましょう!