2024年も残りわずか。お正月や初詣は着物で過ごしたいと思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか? ぜひ2025年のお正月や初詣は、着物を着てお出かけしてみませんか?! 着物で初詣をすると、いい思い出として記念にもなりますし、友人や家族、恋人と一緒に着物を着るとさらに記憶に残る初詣になるでしょう。今回は、初詣で着物を着る方に向けて、着物の種類や着用する上での注意点などをご紹介します。
【目次】
1 着物を初詣に着るのがおすすめな理由
2 お子さまは七五三の晴れ着を利用しよう
3 着物を着る際の立ち振る舞い
4 まとめ
着物を初詣に着るのがおすすめな理由
日本の伝統文化のひとつでもある「着物」。お宮参り、七五三で着る方もいらっしゃいますが、「初詣で着物?!」と驚かれることもあるかと思います。しかし、着物を着ることへの憧れや、初詣=日本文化のひとつとして、着物を纏うことは華やかさを演出することにも繋がります。また、初詣やお正月は「着物を絶対着る!」という方も少なからずいらっしゃると思います。
さまざまな着物の種類の中で、初詣におすすめしたい着物は、「振袖」「訪問着」「小紋・紬」「羽織袴(男性)」です。
・振袖
若い女性が初詣に着る着物で一般的なのが振袖です。成人式を機に購入やレンタルをする方も多く、10代後半〜20代の女性には馴染みがあるかと思います。特に振袖を購入した方は、せっかくご自宅にあるのであれば、初詣やお正月に着用するのが良いでしょう。振袖は華やかな雰囲気をつくることもでき、お祝いの席にもぴったりです。
・訪問着
訪問着は振袖や留袖の次に格式が高い着物です。振袖を着る年齢ではないけれど、格式ある着物を着たい方は訪問着がおすすめです。訪問着は、結婚式やお子さまのお宮参り、入学式、卒業式などで着ることがでる華やかな着物です。また、訪問着と色留袖との違いに迷われる方がいらっしゃいますが、訪問着は準礼装として幅広くフォーマルなシーンで着用できます。色留袖の場合は礼装となるので、主に各種式典や親族の立場で列席する結婚式などの正装の場で着用します。初詣であれば、訪問着でも色留袖でもどちらでも構いません。
・小紋、紬
普段から着物を着る機会が多いと、小紋や紬を着る方もいらっしゃると思います。お気に入りの帯や小物を合わせてコーディネートを楽しむのもいいでしょう。小紋とは、全体的に小さな模様が入った和服の一種。カジュアルに着られるデザインからドレスアップしたデザインまで、幅広いデザインがあるのが魅力的。おしゃれ用の着物として知られています。紬とは、糸の段階で染色をした後に布を織った絹織物で、普段着からよそ行き用まで幅広く着ることができます。大島紬などの高級品でも、基本的にはおしゃれ着として着用することが多いです。
・羽織袴
男性は羽織袴を着て初詣へ。羽織袴は男性の正式な和装で、ハレの日に選ばれる着物です。黒紋付羽織袴と色紋付羽織袴の2種類があり、格式が高い場面で着用するのが黒紋付羽織袴となります。
初詣といえば縁起の良い日。縁起が良いからこそ着物は初詣によく合います。また縁起の良い柄の着物を着用するのもひとつです。
縁起が良いとされる代表的な柄といえば「松竹梅」「鶴」「扇子」「桜」「椿」です。おめでたさの象徴でもある松竹梅や末広がりの扇子は、縁起が良いとされています。華やかな雰囲気の桜や椿などの花柄は、初詣シーズンにもおすすめです。
<松>
冬場でも青々して、色が変わらないことから正月飾りに用いられる松。お正月にはぴったりの柄ですね。
<竹>
竹の子から立派な若竹に育つことから「成長」を象徴する柄です。
<梅>
古くから愛されてきた花。冬の寒い季節に美しい花を咲かせることから、忍耐や力強さを表すとされています。
<鶴>
「鶴は千年、亀は万年」という言葉があるように、鶴は「長寿」の象徴とされています。
<桜>
桜とは、古くは“サ”が「田の神・穀霊」、“クラ”が「神座(神のいる場所)」を意味する言葉として、五穀豊穣の象徴とされています。
<椿>
椿は一年中葉が青々としており、枯れない木として古来から縁起の良いものとされてきました。椿の花には、「永遠の美」「気取らない美しさ」「申し分のない魅力」「厄除け」などの意味があります。
<扇子>
終わりがないずっと続くイメージで、広がりを感じさせる模様。永遠や発展拡大、繁栄を意味する模様とされています。
お子さまは七五三の晴れ着を利用しよう
初詣やお正月は、家族みんなで着物を着たいと思っている方も多いと思います。しかし、お子さまには「どんな着物を着せてあげたらいい?」と悩んでいる方も少なくないでしょう。そもそも、初詣やお正月にお子さまには、この着物を着用しないといけないというルールはありません。
しかし、せっかく着物を着るのであれば、しっかりとした装いをしたいものです。そこで活用してほしいのが七五三の晴れ着です。もしご自宅に七五三の晴れ着があるようであれば、ぜひ利用しましょう。七五三の晴れ着は華やかなデザインも多く、ハレの日にはぴったりです。まだ七五三を迎えていないお子さまには、お正月や初詣の際に、リハーサルを兼ねて着用するのもおすすめです。七五三当日にバタバタするよりも、事前にリハーサルを行うことで、お子さまたちも着物に慣れることができます。また、七五三に参拝予定の神社へ行くことで、当日はスムーズにお参りができることも! 七五三の着付けは、大人の着物よりも簡単です。もちろん、お母さまでも着付けることができます。
小学生低学年までのお子さまであれば七五三の着物を着用することができます。以下は、それぞれの着物とおおよその対応身長です。ぜひ参考にしてみてください。
・3歳男の子用 約90cm〜105cm
・3歳女の子用 約90cm〜105cm
・5歳男の子用 約90cm〜105cm
・7歳女の子用 約110cm〜125cm
・小学生男の子用袴 約140cm〜150cm
まだ七五三の晴れ着を持っていない、レンタルを検討する方は、まずはお子さまのサイズを確認することが必要となります。年末までに専門の呉服屋さんに行くと、レンタルも行っていますので、ぜひ相談してみてください。
【3歳女の子】着物の着せ方
1)肌着と足袋を着せる
2)長襦袢を着せる
3)着物を着せる
4)被布を着せる
【5歳男の子】着物の着せ方
1)肌着(または肌襦袢)と足袋を着せる
2)襦袢を着せ、胸紐を結ぶ
3)着物を着せる
4)角帯を結ぶ
5)袴を履かせる
6)羽織を着せる
【7歳女の子】着物の着せ方
1)肌襦袢と足袋を着せる
2)帯の位置にタオルを巻き、長襦袢を着せる
3)着物を着せる
4)伊達締めを締め、帯をつける
5)帯揚げ、帯締めをつける
6)筥迫を胸元に差し込み、扇子を帯締めに挟む
【着物を着せる上での注意点】
家庭で着付けする場合は、引きずらないように丈に注意しましょう。紐は子供が苦しくならないようにあまりきつくせず、外を歩くので、簡単には解けないように結びましょう!
また、初詣やお正月は寒い日が多いので防寒対策も必須! 以下のアイテムを持参するのがおすすめです。
◻︎マフラー
◻︎ケープ
◻︎手袋
◻︎スパッツやレッグウォーマー
◻︎ブーツやスニーカーで足元を暖かく!
このように、足元や首周りの防寒には注意することが大切です。普段使用している防寒グッズを着用しましょう。
初めて着物を着用するお子さまは普段の服とは違い、着物に慣れていないので疲れてしまう可能性もあります。お子さまの体調などを考慮しながら、初詣やお正月に着物で出掛けてみませんか?
着物を着る際の立ち振る舞い
着物は着るだけで背筋が伸びて気持ちが引き締まります。しかし、普段通りに振る舞っていても着崩れを起こしてしまいそうな方も。着物を着ている時は、いつもよりもゆっくりと丁寧に動くことが基本となります。上品に落ち着いて見せるには、優雅な所作が大切となります。
・立ち方
基本の立ち方をマスターしましょう。猫背になっていないか、左右どちらかに重心が偏っていないかを確認してください。手はおへその辺りで重ねると上品な印象に。足元は、つま先が八の字になるようにくっつけます。
・歩き方
立っている時と同様に、背筋を伸ばしたまま歩きます。歩幅は小さく、そしてゆっくり動くのがポイントとなります。草履は指で引っかけるように浅く履き、かかとが少しはみ出るくらいが正しい履き方となります。
・車の乗り降りの仕方
洋服の時のように足を大きく開いて乗り降りしたくなりますが、着崩れを起こしやすく、品にも欠けるため大股は×。車に乗り込む際は、体の前で袖を合わせ、座席に背中を向けて立ち、裾が乱れないようお尻からゆっくりシートに座ります。乗車中はどこかにしっかりとつかまり、帯がつぶれないよう浅く腰かけた状態をキープしましょう。車を降りる時は、上前を片手で押さえ、つま先を揃えて外へ出し、慎重に立ち上がります。
・トイレの済ませ方
狭いと動きにくいので、まず、なるべく広めの個室(洋式トイレ)を選ぶこと。そして、以下の手順で慌てずゆっくり済ませてください。
1)袖が床につかないよう前でゆるく結びます。キツく結ぶとシワになるので注意しましょう。
2)振袖の裾を下から持ち上げて、帯の上部のすき間に挟み込みます。同様のやり方で長襦袢と肌襦袢もたくし上げます。3枚重ねのまま一度に持ち上げると着崩れてしまうので、必ず1枚ずつ行うようにしましょう。
3)用を足し終わったら、肌襦袢、長襦袢、振袖の順にきれいに下ろします。最後に裾がめくれていないかチェックしてください。
・着崩れてしまった場合
胸元や脇まわりがたるんでいるとシワができてしまい、着物姿が美しく見えません。上前を手でやさしく撫でながら、たるみを右側に集めて、帯の中に入れ込めばすっきりします。また、後ろの腰回りがたるんでしまった場合は、お手洗いに行った際に、たるんできた部分を両手でやさしく撫でながら上のほうへ集め、おはしょりの下の腰紐へ挟み込むようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか? ご家族でお正月や初詣を着物で過ごすことは、とても良い記念になります。しかし冬の時期となるので、防寒対策も必須となります。羽織やストールなどを活用しながらしっかりと防寒対策を行いましょう。またご自宅に着物がなくても専門の呉服屋ではレンタルをすることもできます。豊橋市にある山正山﨑では、初詣やお正月に向けた着物レンタルも充実しています。お母さまの着物から、ご主人の羽織袴、お子さまの着物や七五三用の着物など、多彩に取り揃えています。着付けも行っているので、着物のことなら山正山﨑へ相談を。ご家族の要望に合わせて、着物のプロがあらゆる角度からサポート、提案を行います!