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2025.05.22
コラム

2025年 着物の衣替えと着物の正しいお手入れ

季節が春から初夏に変わり、洋服の衣替えをする時期がやってきました。実は、この時期は着物も衣替えをするのがおすすめ! また着物を着た後のお手入れなどもお届けします。

【目次】
1 着物の衣替えとは?
2 着物の正しいお手入れ方法
3 山正山﨑のおすすめイベントご紹介
4 まとめ

着物の衣替えとは?

着物の衣替えとは、季節に応じて着用する着物の素材や仕立てを変えることを言います。季節の変化に合わせて、見た目にも快適さにも配慮した装いを楽しみます。最近は、温暖化の影響で6月や9月でも非常に暑い日があるため、5月下旬から単衣を着始めたり、9月でも薄物を着たりすることもありますが、まずは基本をおさえましょう!

1)衣替えの時期と種類
<6月1日〜6月30日>
単衣(ひとえ)仕立ての着物を着用します。単衣仕立てとは、裏地のない一枚仕立てのことを言います。初夏に向けて涼しさを重視した装いです。
単衣のコーディネートとして、合わせる帯 は名古屋帯や軽めの袋帯など。絽や夏素材の帯締め、帯揚げ、夏草履などがおすすめです。見た目は袷と似ていますが、裏地がないため透け感や薄さが違います。裾をめくると、裏地の有無ですぐにわかります。

<7月1日〜8月31日>
薄物(うすもの)と呼ばれる着物を着ます。薄物とは、盛夏に着る、透け感のある涼やかな着物や帯の総称です。日本の蒸し暑い夏に合わせて発展した、見た目にも体感的にも“涼”を届ける装いです。風通しもよく、見た目も涼しげです。主に絽(ろ)・紗(しゃ)・麻などの素材が使われています。

<9月1日〜9月30日>
夏の透け感のある薄物から再び単衣の着物に衣替えをする季節です。選ぶ色や柄に明確な決まりはありませんが、9月の単衣は、深みのある秋らしい色や柄を選ぶことで、装いに季節感を演出することができます。

<10月1日〜5月31日>
秋めいてくる10月は、単衣の着物からら胴裏、袖裏、裾回しなどに裏地のある袷(あわせ)仕立ての着物に衣替えをします。袷の着物は、一年で最も長い期間、着用される着物です。小紋、色無地、訪問着、留袖、振袖、黒留袖など多種多様あります。裏地があるため暖かく、冷えやすい季節に適しています。見た目にもしっかりとした高級感があり、礼装にふさわしいのが特徴です。季節行事やフォーマルな場面では、袷の着物が最も用いられます。

2)季節の対応 織りや素材
袷仕立て/絹・ウール・綿 = 秋から春まで使えます。フォーマルからカジュアルまで幅広い用途があります。
単衣仕立て/絹・綿 = 初夏・初秋・真夏以外の季節に使います。軽くて、涼しげな見た目です。
絽・紗/絹、麻 = 絽や紗は生地に隙間をあけて織る折り方。麻は、植物の麻から作られた布で、肌にまとわりつかない、さらりとした素材です。どれも透け感があり、見た目にも着心地も涼しい素材です。

3)帯や小物の季節感
着物だけでなく、帯・帯揚げ・帯締め・草履・バッグなどの小物も季節に合わせて変えるのが一般的です。たとえば、夏には透け感のある「絽の帯」や「夏帯締め」などを使います。

・絽の帯
絽(ろ)の帯は、夏用の透け感のある織り方で作られた帯のことです。「絽」は、絹を使って透けるように隙間を織り込んだ織物で、夏着物と同様に、見た目も着心地も涼やかに仕立てられています。主に 7月・8月の盛夏 に用いられます。織りの間に空気の通り道となる「隙間」ができるため、涼しく軽やか。絽の帯には名古屋帯・袋帯などさまざまな種類があり、カジュアルからセミフォーマルまで対応します。

・夏帯締めとは?
夏帯締めとは、夏用の着物に合わせて使用される、涼感のある素材・組み方で作られた帯締めのことです。
見た目にも軽やかで、通気性を考慮した作りになっており、主に 絽や紗などの薄物の着物・帯と組み合わせて使います。組み方が粗めで、風通しがよく蒸れにくいのが魅力です。パステルカラーや白、寒色系が人気で、見た目に涼しさを与えます。

着物の正しいお手入れ方法

着物を長持ちさせ、美しく保つためには、着用後の基本的なお手入れと正しい保管方法がとても大切です。着物の正しいお手入れ方法を段階ごとに整理してご紹介します。

着用直後のお手入れ
1. 陰干し(かげぼし)
着物をハンガーにかけて、風通しの良い日陰の室内で数時間干します。湿気・汗・ニオイを除去します。ただし、色褪せの原因となりますので、直射日光はNGです。

2. ホコリ取り
柔らかいブラシ(馬毛など)でホコリを優しく払います。特に裾、袖口、衿元などを重点的に行いましょう。

3. 汚れの確認
シミ・食べこぼし・汗ジミなどがないか丁寧にチェックしましょう。衿・袖口・裾は特に注意が必要です。

4. 長襦袢や帯も同様に干す
肌に触れる長襦袢や帯も、湿気を含むため、同じように陰干ししましょう。

もし汚れやシミがあった場合は以下のようなお手入れをしましょう。
・食べ物・飲み物の汚れの場合は、ティッシュで軽く押さえ、絶対にこすらないこと。早めに専門店へ依頼しましょう。
・汗汚れ(特に襟・脇)は、目に見えなくても残るため、汗抜きクリーニングをおすすめです。
・ファンデーション・口紅がついてしまった場合は、家庭での処置は避け、専門の着物クリーニングへ直行しましょう。染みが広がる危険があります。

よくあるNG行動としては、洗濯機で洗うこと、日光に当てること(変色・劣化)、香水・ヘアスプレーをつけたまま着用すること、着用後すぐにしまうこと(カビや虫の原因に)は避けましょう。

着物の種類別のお手入れ方法としては、以下の通りです。

・正絹(しょうけん)着物
湿気と汚れに非常に弱いため、着用後は必ず陰干ししましょう。汚れは自分で処置せず専門店へ。防湿管理は必須です!

・洗える着物(化繊・ポリエステル)
自宅で手洗いやネット使用で洗濯機OKのものもあります(表示確認)。アイロンは当て布をして低温で行いましょう。

・ウール着物
虫に弱いので、防虫剤を必ず入れましょう。シワになりやすく、水に弱いので洗濯は基本NG(洗える表示があれば可)です。陰干しは必須です!

・麻着物(上布など)
洗えるが縮みやすいのが特徴。洗濯後は形を整えて陰干ししましょう。シワになりやすいため、軽くアイロンもOK(当て布推奨)。保管時は乾燥剤を入れましょう。

・喪服(黒紋付)
着用頻度が少ないので、長期保管に注意しましょう。カビ・黄変しやすいため、虫干しと防湿管理が重要です。1回着たら必ずプロに点検・丸洗いを行いましょう。

・振袖・訪問着などの礼装着物
汚れやすい袖口・裾を着用前後にチェックしましょう。1回の着用でも、衿・袖・裾の汗抜きがおすすめです。着用後は必ずプロへ相談。保存は桐箱が理想です。

・単衣(ひとえ)、薄物(絽・紗)
汗ジミに特に注意してください。陰干しでしっかり湿気を飛ばすことが重要です。汗抜きクリーニングが効果的! シミになる前にプロに出すのが良いでしょう。

山正山﨑のおすすめイベントご紹介

山正山﨑では5月と11月に、プロによる着物のお手入れイベントを実施しています。詳細については、山正山﨑スタッフまでお問い合わせください。
もちろん、イベント期間以外も受け入れ可能です。きものについてのお困り事は、ぜひご相談ください!

まとめ

着物の衣替えについてやお手入れ方法などをご紹介しました。近年、気温に合わせて柔軟に着物を選ぶ人が増えています。特に気候変動の影響で、6月や9月でも非常に暑い日があるため、5月下旬から単衣を着始めたり、9月でも薄物を着たりすることもあります。あなたらしい着物ライフを楽しみながらも、着物を長持ちさせるためのクリーニングなどもこの時期行うと良いでしょう!