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2023.02.16
コラム

成人式の振袖活用 袴を合わせて卒業式に着用しよう

今年も間もなく卒業シーズンが到来。「せっかくなら卒業式では袴を着たい」と考えている方もいるかと思います。実はこの袴に、成人式で着た振袖を合わせられることをご存じでしょうか。成人式の時とはひと味違うコーディネートが楽しめるので、振袖を購入された方や成人式の後も何度かレンタルできるようなプランに申し込んだ方は、ぜひ活用してみましょう。

【目次】
1 振袖・袴とは
2 成人式の振袖を袴に合わせるメリットと注意点
3 成人式の振袖×袴をうまくコーディネートする方法
4 卒業式にぴったりな最新トレンドヘアスタイル5選
5 まとめ

振袖とは

振袖は未婚女性の第1礼装。着物の中では最も格が高いもので、おめでたい席や改まった式典にぴったりです。成人式に参列する女性の約9割が振袖をまとっていくというデータもあり、「振袖=成人式の華やかな晴れ着」というイメージが強いかもしれませんが、振袖にもいくつか種類があります。袖丈の長さによって3つの種類に分かれており、利用できるシーンもさまざまです。

小振袖

振袖の中で一番袖が短いもの。袖の長さは75~85cmで「二尺袖」とも呼ばれています。袖丈が短く仕立てられている分、他よりも動きやすく可愛らしい雰囲気。よくある卒業袴のレンタルプランでは、この小振袖と袴をセットにしているのが一般的です。フォーマルな場所以外でも気軽に着ることができます。

中振袖


成人式の晴れ着として用いられるのが中振袖です。袖の長さは100cm前後で華やかなイメージ。成人式のほか、未婚女性が結婚式にお呼ばれした時にもよく着用します。

大振袖

袖丈は114cm以上と最も長く、振袖の中でも最上位の格付けになります。「本振袖」とも言われており、昔から婚礼衣装の定番とされてきました。「引き振袖」「引き振り」「お引きずり」「お引き」などとも呼ばれています。現代でも花嫁のお色直しの衣装や舞妓さんの衣装として重宝され、非常に豪華かつ上品な印象です。

袴とは

現在の卒業式で着られている袴は、元は明治時代に女学生の制服として作られたものです。さらにルーツをさかのぼると宮中の女官服に辿り着き、動きやすさと礼容、優雅さを兼ねそろえているのも納得できます。このようなことから、学問の場にふさわしい特別な衣装として定番化していったものと考えられています。

女袴(おんなばかま)

卒業袴として用いられるのがこちら。股(まち)がなくスカートのように着用できるのが特徴。そのためお手洗いの際にわざわざ脱ぐ必要がないなど機能性も◎。男袴(おとこばかま)は腰当てがあり帯も腰回りで結ぶのに対し、女袴(おんなばかま)は腰当てがなく帯を結ぶ位置も胸下になるため、ウエストに圧迫感を感じず着られるのも魅力です。

差袴(さしこ)、巫女袴

神職が身に着ける袴。差袴(さしこ)と巫女袴には男性用と女性用があり、女性神職は股(まち)のない行燈袴(あんどんばかま)、男性神職は股のある乗馬袴を身に着けます。

成人式の振袖を袴に合わせるメリットと注意点

卒業式の袴に合わせる着物には特にルールはないという意見もあります。しかし卒業式はフォーマルな式典であるため、日本女性の第1礼装である振袖を合わせておけば間違いありません。アカデミックな雰囲気を持つ袴との相性もばっちりです。さらに、成人式で着たお気に入りの振袖をもう一度着られるのは、とても感慨深いはず。ここでは思い出の振袖を活用するメリットや注意点を解説します。

振袖活用3つのメリット

■ 衣装にかかる費用を抑えられる
振袖に加えて小物類も成人式のものをそのまま活用すれば、卒業式では袴と帯だけレンタルすればOK。「せっかくなら帯も成人式のものを使いたい」と思うかもしれませんが、卒業式では半幅帯という別の種類の帯を使うため成人式の帯は使えません。それでも卒業袴セットを一式レンタルするよりリーズナブルに済ませられます。
■ 周りと差がつく豪華なコーディネートに
一般的な卒業袴セットに入っている振袖は、袖が短い小振袖。若々しい雰囲気や、コンパクトで動きやすいのが魅力的です。一方、成人式の振袖(中振袖)は、袖が長く柄を贅沢に見せられるため、ゴージャスで大人っぽい雰囲気を演出できます。小振袖のご友人が多い中で、中振袖を組み合わせたコーディネートはきっと目を引くはず。
■ きらびやかなデザインが多い
成人式で着る中振袖は、金糸や銀糸を多用した華やかなデザインが多くお祝いムード満点。ぱっと明るい雰囲気で門出の1日を迎えたい方には、成人式の中振袖は最適です。写真映えも◎。

振袖ならではの注意点

それぞれ違った趣がある小振袖と中振袖。しかしどちらかといえば小振袖が主流な分、中振袖を合わせる時にはいくつか注意点があります。卒業式当日に困らないよう、事前に確認しておきましょう。
所作に十分気を配って
小振袖よりも袖丈が長いため、地面に袖がついてしまったり、踏んでしまいやすかったりします。階段を上り下りする時は袖を腕にかける、椅子に腰かける際は袖をひざの上に重ねて置くなど、成人式の時のことを思い出しながら立ち居振る舞いましょう。
着付けは経験豊富な方にお願いすること
袴と合わせることを想定して丈が短めに作られている小振袖に対し、中振袖はそれ1枚で着ることを前提としているため身丈がかなり長めです。そのため袴を重ねる場合は、おはしょりの始末などに少々テクニックが必要になってきます。処理が甘いと着崩れを起こしやすかったり、そもそもの着姿も美しくなかったりするので、着付けは和装に精通した方にお願いしましょう。
身長によってはバランスが取りにくいことも
袖丈の長さは見た目の印象を大きく左右します。かなり小柄な方の場合、袖丈が長い中振袖と袴のコーディネートはバランスが取りづらく、スタイルが悪く見えてしまうことも。この場合はブーツを合わせてスタイルアップするのも1つの手です。逆に高身長な方は、袖丈が長いほうがスラリとスタイル良く見えます。中には「あまり大柄に見られたくない…」という方もいるかもしれません。その際は小振袖を選ぶほうが良いでしょう。理想のスタイルは人によって違うので、中振袖と小振袖どちらがバランスが良いのか袴と合わせて試着してみることをおすすめします。

成人式の振袖×袴をうまくコーディネートする方法

袴スタイルの面白いところは、やはり上半身の振袖と下半身の袴の組み合わせでさまざまなコーディネートが楽しめる点です。これは成人式の振袖や訪問着では味わえない袴スタイルならではの醍醐味。小物など細部のお洒落も大切ですが、全体的なイメージは振袖と袴にどんなカラーを持ってくるかで決まります。ここからはコーディネートする上で重要となる「配色」などのテクニックをご紹介します。どんな色や柄が似合うのか、どんな雰囲気でまとめたいのかイメージを膨らませつつ、実際にいくつか試着して理想の組み合わせを見つけてみましょう。

配色のポイントを押さえて理想のイメージに

上品に仕上げたい場合は「同系色」でまとめるのがおすすめ
「同系色」とは、ピンクの振袖×エンジ色の袴、水色の振袖×紺色の袴など、同じ系統同士のカラーのことを示します。近い色同士の組み合わせは、優しく上品で落ち着いた雰囲気を演出してくれます。
個性を出したい場合は「反対色」でまとめるのがおすすめ
「反対色」とは名前の通り、色相環で反対側にあるカラーのことです。具体例をあげると、赤色の振袖×緑色の袴、黄色の振袖×紫色の袴などが該当します。「反対色」のコーディネートは目を引く配色なため、メリハリの効いたお洒落を楽しみたい方にぴったり。どちらも派手な柄物を選ぶとゴチャついた印象になりがちなので、柄が多めの振袖には無地の袴を選ぶなどバランスに気を付けてください。
「同系色」と「反対色」どちらの場合も、トーンを変えることで印象は大きく変化します。若々しくキュートなイメージがお好みなら、明るめ・淡いトーンに。大人っぽく品よくまとめたい場合は、暗め・濃いめのトーンを選ぶと良いでしょう。

共通の色を使おう

色選びに迷った時は、振袖の柄に使われている色と袴の色を揃えてみてください。ちぐはぐな印象になるのを避け、統一感のあるコーディネートが叶います。

柄の組み合わせにも注目

近年人気が高まっているのが、ハートやレース、バラなどの洋花をモチーフにしたモダンな柄です。振袖にこのような今どきな柄が配されている場合、袴は無地などのシンプルなものか洋風な刺繍が入ったデザインがおすすめ。もしここに古典柄を合わせてしまうと、どこかアンバランスな印象になってしまいます。柄にも相性の良し悪しがあることを覚えておきましょう。

足元のコーディネイト

足元を草履にするのかブーツにするのかによっても、全体のイメージは変わってきます。袴選びと同時にどちらを履くかも考えておきましょう。
草履
草履はどんなタイプの袴スタイルに合わせても間違いないのが魅力です。特に古典的な優美さを引き立たせたい方は、草履を選ぶのがベスト。着脱がしやすいというメリットもあります。ただし草履は足元が冷えやすいので、脚用カイロやレギンスで防寒対策したほうが良い場合も。雨天なら替えの足袋を用意するか、雨除けを付けることも忘れずに。鼻緒ズレ対策に絆創膏も準備しておくと安心です。
ブーツ
大正時代の女学生のような、レトロでハイカラな雰囲気を盛り上げてくれるブーツ。ヒールで足を長く見せられるので、スタイルを良く見せたい方はブーツが◎。歩きやすく、冷えや雨に強いのも嬉しいポイントです。しかし草履と違って脱ぎ履きがしにくく、紐があるタイプはほどけてしまう可能性もあることを頭に入れておきましょう。

卒業式にぴったりな最新トレンドヘアスタイル5選

卒業袴を着るのなら、ヘアスタイルもこだわりたいですよね。最近は定番のお花のコサージュだけでなく、多彩な髪飾りが登場してアレンジの幅が広がっています。話題のアイテムをチェックして、トレンド感のあるヘアスタイルを目指しましょう。

金箔や銀箔できらめきをプラス

最近のトレンドといえば、金箔や銀箔を使ったヘアスタイルは外せません。セットし終わった後、仕上げに金箔や銀箔を髪に貼り付けることで、ゴージャスで特別感のあるスタイルが完成します。髪の長さやカラーを選ばず誰でも取り入れやすいことや、ポイント使いしやすいのも人気の理由。ワックスやジェルで簡単に付けられるので、美容師さんに相談してみてください。

水引で縁起を担ぐ

「人と人を繋ぐ」という縁起の良い意味があり、ご祝儀袋などに使われることが多い水引。近年ではこの水引を取り入れたヘアスタイルも人気です。本来、水引は用途によって結び方が変わりますが、髪飾りとして使う場合は特に結び方を気にすることなく自由なアレンジが楽しめます。髪を束ねたり、くねらせてさまざまな形にしたり、アイデア次第でスタイリングは思いのまま。

上品かつ遊び心いっぱいの組紐アレンジ

組紐とは、錦糸や絹糸を編み込んだ日本伝統の紐のことです。和小物などに使われることが多く、卒業袴とも相性抜群。組紐で髪を蝶々結びにしたり、花結びを作ってコサージュのようにあしらったりするとトレンド感がアップします。アレンジがしやすいよう細めの組紐を使うのがおすすめ。

お花なら生花やドライフラワーが今どき

これまでは造花を使うのが一般的でしたが、ここ数年は本物のお花やくすみカラーのドライフラワーをあしらうのが人気です。まとめ髪の仕上げに添えるのはもちろん、小花を髪と一緒に編み込んでサイドに流すゆるふわヘアもトレンド感があります。

リボンは女の子の永遠の憧れ

リボンを使ったヘアスタイルも卒業式の定番。特にハーフアップの飾りにぴったりです。袴や振袖の色に合わせてリボンを選ぶとまとまりが出ます。手芸店でよく売られている細めのサテンリボンをさらりと結ぶだけでも、とてもキュートで印象的です。

まとめ

いかがでしたか。じっくり時間をかけて選んだ成人式の振袖。お気に入りの振袖の出番が成人式の1回限りではもったいないですよね。卒業式で袴を着る予定なら、ぜひ思い出の振袖を生かした装いを楽しんでください。合わせる袴やヘアスタイル、足元のコーディネートによって全く異なるスタイルに変身できるので、同じ振袖でも新鮮な気分が味わえるはずです。素敵な袴スタイルで節目の日を迎えましょう。