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お知らせCOLUMN

2023.03.30
コラム

入学式に着物で参加したいママへ

待ちに待ったお子様の入学式。どんな服装で参列するのかもうお決まりでしょうか。着物を着る貴重な機会ということで、訪問着や色無地を検討中のお母様もいるかと思います。そこで今回は、入学式にふさわしい着物の種類やコーディネート、マナーなどをおさらいしていきます。基本をしっかり押さえてお子様の成長をお祝いしましょう。

【目次】
1 入学式にふさわしい着物
2 着物の選び方を年代別にご紹介
3 着物で入学式に参列する際のマナー
4 入学式の着物ヘアスタイル
5 まとめ

入学式にふさわしい着物

そもそも入学式に着物を着ていっても良いの?と疑問を抱えるお母様もいるかもしれませんが、着物こそ格式高い式典にぴったりなフォーマルウェアです。晴れ舞台にぴったりの華やかさと気品を兼ね揃えており、お祝いの気持ちがいっそう引き立ちます。しかし、ひと言で着物といっても種類はさまざま。入学式にふさわしい着物というのは決まっています。TPOにそぐわない格好で恥をかかないよう、入学式向けの着物を選ぶようにしましょう。

 訪問着

入学式などの式典に合わせる着物の定番。肩から裾にかけて、模様が1枚の絵のようにつながっている「絵羽模様」が魅力です。お母様が着用するフォーマル向けの着物の中では比較的華やかなので、新生活のスタートを祝う入学式にはぴったり。留袖に次ぐ準礼装、略礼装に当たります。入学式のほかにも、卒業式、結婚式、お宮参り、七五三、お茶会、観劇などにも着ていける上、年齢や未婚既婚も問わないので、1枚持っておくと大変重宝します。

付け下げ

訪問着よりもやや控えめな装いとして作られたのが付け下げです。全体的に模様がつながっている訪問着に対し、付け下げは縫い目で柄が途切れており、飛び飛びに配されているのが特徴。格式は訪問着よりも1つ下の略礼装になります。入学式や卒業式、七五三など、子どもの付き添いの場合は、目立ち過ぎない付け下げを好む人も多くいます。

色無地

柄がいっさい入っていない、一色染めの着物のこと。シンプルな分、非常に落ち着いた印象で、お子様より目立つこともなく安心して着ていけます。また訪問着や付け下げのように、絵柄の季節感や格に悩むことなく使えるのも嬉しいところ。家紋の数によって格が変わり、五つ紋ならかなり改まった式服、三つ紋なら準礼装、一つ紋・紋がないタイプなら入学式向けの略礼装となります。一つ紋、紋なしの色無地はお茶会や食事会にも着ていけるので、近年ではあえて紋を入れない方も増えています。

江戸小紋

お洒落な外出着として人気の小紋ですが、入学式や卒業式に着ていけるのは江戸小紋のみ。中でも、「江戸小紋三役」といわれる「行儀小紋」「角通し小紋」「極型の鮫小紋」は、格が高い模様であり、柄が細かく一見すると無地のように見えることから、色無地と同格に扱われています。さらにここに、「万筋」「大小あられ」といった縞文様を加えたものを「江戸小紋五役」と呼び、紋を入れることで略礼装となります。式典で小紋を着る時は、「江戸小紋五役」から選ぶようにしましょう。

入学式らしさを出すコーディネートのコツ

入学式にはお子様の成長を喜び、新生活への希望を感じさせるような着物を選ぶのがおすすめです。淡いピンク、クリーム、若草色、ベージュ、藤色などの明るいカラー、季節を先取した花柄、おめでたい吉祥文様を選べば間違いありません。卒業式と入学式で同じ着物を着まわしたい場合は、帯や帯揚げ、帯締めなどの小物を変えてみましょう。帯周りに暖色系の色を持ってくると、入学式らしい雰囲気が引き立ちます。

着物の選び方を年代別にご紹介

年齢によって似合うワンピースやスーツが異なるように、着物にもしっくりくる種類やデザインというものがあります。ご自身の年代に合った着物を選ぶことで、よりいっそう通な着こなしが叶うのでチェックしてみましょう。

20代のお母様には、明るいカラーの訪問着がおすすめ

ひと昔前まで訪問着は嫁入り道具として重宝され、入学式や卒業式、結婚式やパーティのお呼ばれなどに着ていける使い勝手の良いフォーマルウェアでした。せっかく訪問着をあつらえるのであれば、人生の節目となるイベントを数多く控えているタイミングが◎。20代であれば華やかな訪問着も違和感なく着こなしやすいものです。春らしく優しい色合いのピンクや淡いグリーンなどの地色に、古典柄が散りばめられている訪問着なら、若々しくも気品ある装いとなります。着物と帯は色合いを合わせることで統一感が増し、品の良さもさらに際立ちます。

30代のお母様には、きれいめカラーの訪問着や付け下げがおすすめ

淡い藤色や黄緑色、水色など、洗練されたきれいな色合いが良く似合うのが30代です。20代の頃より着物に使われている色数を少し減らすと、さらに落ち着いた印象になります。訪問着よりも柄が控えめな付け下げをセレクトするのも良いでしょう。30代はフォーマルシーンにもある程度慣れてくる年代です。王道の着こなしに、大人の女性ならではのエレガントさを添えることで、ワンランク上のお洒落を楽しむことができます。

40代のお母には、落ち着いた色合いの訪問着のほか色無地もお似合い

40代に差しかかると、お子様の入学式・卒業式も何度か経験済みで、フォーマルシーンを楽しむ余裕がある方も多いかと思います。そんな大人の女性には、淡い黄色やベージュ、ライトグレーなどの落ち着いた地色で、柄数をぐっと抑えた訪問着や付け下げが好相性。一つ紋の色無地や江戸小紋など、シンプルなデザインの着物も粋に着こなせます。着物と同系色の帯を合わせるなら帯締めや帯揚げにアクセントカラーを持ってくる、もしくは帯自体を濃い目の色にすると素敵な着こなしに。40代は着物の楽しみ方に幅が生まれる年代です。歳を重ねたからこそできる、お洒落なコーディネートにチャレンジしてください。

着物で入学式に参列する際のマナー

TPOに合わせた着物選びのほかにも、押さえておきたいマナーはいくつかあります。これまでの基本をふまえつつ、もう少し細かい部分までルールを確認しておきましょう。

お子様より一歩引いた上品なコーディネートを

入学式の主役はお子様です。お母様はあくまで付き添いとして、派手になり過ぎない色や柄、品格と季節感を兼ね揃えたコーディネートを心がけることが大切です。これはワンピースやスーツでも同じこと。着物だからとあまり難しく考えずに、「主役はお子様」と意識した上で、お好みの着物を選ぶようにしましょう。自分で着物を選ぶことや、帯などのコーディネートを考えるのが難しそうな場合は、レンタルを利用するのが確実。プロが見立てた入学式向けの着物、それに合わせた帯、帯締め、帯揚げ…と、すべて揃った状態で借りられるので安心です。

帯などの小物も格を揃えて

フォーマル向けの訪問着や色無地には、袋帯という格調高い帯を合わせます。袋帯は他と比べて長く、基本のお太鼓結びを二重にした特別な結び方ができるようになっています。ボリュームを出して式典らしい華やかさと特別感を演出するためです。また、着物はネックレスなどのアクセサリーを合わせない代わりに、帯で輝きをプラスするのが一般的。そのため礼装用の帯には金糸や銀糸を多用したものが多いですが、金糸が多すぎると派手だと思われてしまうことも。袋帯は銀や白が主体の控えめな色にして、帯締めでアクセントを付けるなど、バランスに気を付けるのが品よく見せるコツです。柄は縁起の良い吉祥文様や、同じ柄を規則性をもって並べた有職文様がおすすめ。どちらも季節を問わず1年中使えて便利です。

4月は袷(あわせ)の着物を選ぶこと

着物の仕立てには、大きく3つの種類があります。まずオールシーズン使えるのが、袷(あわせ)と呼ばれるタイプです。これは裏地がある着物で、入園式にはこちらを着用します。その他、裏地のない単衣(ひとえ)、風通し良く仕立てられた絽(ろ)という種類もありますが、どちらも夏用なので4月はNG。必ず季節に合った着物を選びましょう。

寒さ&暑さ対策も万全に

冬から春へ季節が移り変わったばかりの4月は、意外と肌寒い日もあれば、汗ばむ陽気の日もあったりと、日によって気温がまちまち。少し寒そうな日は薄手のショールなどの防寒具、気温が上がりそうな日は扇子や汗拭き用のタオルを用意しておくと安心です。

室内の履物も着物に合ったものをセレクト

入学式では教室や体育館に上がることもあります。その際、普段使いのカジュアルなスリッパだと着物にそぐわず恥ずかしい思いをすることも。せっかく着物でお洒落をしたのなら、スリッパもシックで上品なデザインのものを持参しましょう。着物の裾を踏んで汚さないために、ヒールのあるスリッパを選ぶのもおすすめです。

入学式の着物ヘアスタイル

無事に着物や小物類の準備が整ったら、次に気になるのが髪型です。こちらも着物と同じく派手になり過ぎないよう気を付けて、気品と清潔感を意識してまとめましょう。髪の長さごとに適したアレンジを楽しんでください。

ショートヘア

すっきりとした雰囲気が魅力のショートヘア。着物に合わせてタイトにまとめるだけでもエレガントに仕上がります。片側に髪を寄せてアシンメトリーにするのもお洒落。サイドに長さがあれば編み込みに、前髪が長ければポンパドールにと、意外とさまざまなアレンジが可能です。華やかさを出したい方は、髪飾りを付けるのも良いでしょう。後ろ髪が5cm以上ある場合は、きちんとまとめて襟足が見えるようにすると洗練された印象になります。

ミディアムヘア

髪が肩に付くくらいの長さなら、編み込みをしてシニヨンにしたり、夜会巻きにしたりするのが定番です。気品と崩れにくさを意識し、アップスタイルにまとめましょう。もう少し短めのボブスタイルの場合は、ハーフアップもしくはオールバックにして毛先を少し遊ばせるのも◎。センスの良いママだと好印象です。普段から自分でヘアアレンジを楽しんでいる方であれば、美容院に頼らず自分でセットするのもアリ。流行りのくるりんぱ(髪を束ねて中央を割り、そこに毛束を通す手法)を駆使すれば、セルフでも十分手の込んだスタイルに見せることができます。ただし入学式当日は何かと忙しいので、スムーズにセットできるよう事前に練習しておくことをおすすめします。

ロングヘア

ダウンスタイルだとなんとなく手抜きで野暮ったい印象になってしまうので、しっかりまとめましょう。髪のツヤを生かした美しい夜会巻きなら、年代や着物の色柄を問わずに誰でも似合います。サイドを編み込んで低い位置でお団子にしたスタイルもトレンドです。しかし、普段着の時のように後れ毛をたくさん出したり、わざと少しほぐしたりすると、ルーズに見えることも。ロングのまとめ髪はボリュームが出やすいため、髪飾りは極力シンプルなものにするとバランスが取りやすいです。

着物と相性の良い髪飾り

定番はやっぱりかんざし。昔ながらのデザイン以外にも、パールをあしらったもの、さりげなく上品に使えるものなど種類が豊富なので、着物に合わせてコーディネートしましょう。着物の品を損なわなければ、お手持ちのバレッタやヘアピンを活用しても問題ありません。大きなお花が付いたコサージュや、髪飾りの複数使いは悪目立ちすることもあります。お子様が主役の入学式では避けたほうが無難です。

まとめ

今回は着物で入学式に参列する際のコーディネートやマナー、品良く見えるヘアスタイルなどをご紹介しました。訪問着をはじめとした品格ある着物は、メモリアルな1日にぴったりな装いです。祝福の気持ちをきちんと示し、これからお世話になる先生や同級生に挨拶をするのにも、これ以上のフォーマルウェアはありません。ぜひ素敵な着物を身にまとって、お子様の門出をお祝いしてください。きっとかけがえのない思い出になるはずです。