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2023.04.13
コラム

豊橋振袖専門店山正山﨑|ママ振で成人式の基本

一生に一度きりの成人式。近ごろでは、これまでの一般的なレンタルや購入の他に、第3の選択肢としてママ振も人気が上昇しています。ママ振とは一体どんなものなのか、その魅力やコーディネートのポイント、気を付けるべき点などを解説していきます。

【目次】
1 ママ振の魅力
2 ママ振をトレンド感たっぷりにコーディネート
3 ママ振を着るには事前の準備が大切
4 まとめ

ママ振の魅力

ママ振とは名前の通り、お母様が自身の成人式で着用した振袖のこと。近年このママ振を自分らしく今どきにコーディネートして着直す方がとても増えています。ママ振ならではの魅力をピックアップしてみたので、ご自宅に思い出の振袖が眠っている方はぜひチェックしてみてください。

 お支度にかかる費用を安く抑えられる

お手持ちの振袖一式を使うのであれば、かかる費用は着付け代やヘアメイク代、メンテナンス代のみ。振袖や小物の状態によってクリーニング代やお仕立て直し代に幅があるものの、レンタルや購入よりはリーズナブルに済ませられます。

家族の思い出を共有できる

大切に育てた愛娘がママ振を着直してくれるのは、お母様にとっても大きな喜びです。またその振袖に思い入れを持つお祖母様やお祖父様であれば感動もひとしおだと思います。ママ振に身を包んだお嬢様と、お母様の成人式の際の姿が時を超えて重なり合い、節目の1日がいっそう特別なものに感じられるはず。ママ振を通じて思い出話に花を咲かせたり、アルバムを開いてみたり、家族の物語を振り返ってみるのも楽しいでしょう。着物とは本来、親から子へ、子から孫へと何世代にも渡って受け継げるもの。ぜひ着物そのものの魅力もこの機会に実感してみてください。

周りと被ることのないオンリーワンな着こなしに

振袖は柄も色も豊富で、合わせる帯や小物によっても雰囲気が変わるので、ご友人と全身同じコーディネートになってしまうことはまずありません。しかし振袖にもトレンドはあるので、なんとなく似通ったイメージになってしまうことはありえます。その点ママ振であれば、そういった心配は限りなくゼロに近くて安心。現代の振袖にはない独特の趣が、お嬢様を唯一無二の素敵なコーディネートに導いてくれます。

昔の振袖のほうが高品質な場合も

時代と共に消費者の低価格志向が強まり、あらゆるものづくりの現場でコストダウンが図られています。それは着物の世界も同様で、インクジェットで印刷された量産型振袖が広く出回っているのが現状です。一方、ちょうどバブル期と重なるお母様世代の振袖は、職人が昔ながらの技法を駆使し、贅を凝らして手作業でつくりあげたものが多く、新品にも勝る逸品であることも珍しくありません。
総絞りや加賀友禅、辻が花など、質の良い高級振袖というのは、何年、何十年経っても決して色褪せることのない価値を備えています。タンスで眠らせたままではもったいないお宝かもしれません。

質の良い振袖は着付けも楽で崩れにくい

お母様世代の高級振袖は、絹の目が詰まっていて確かな重みがあり、肌の上にのせるとしっとり馴染みます。そのため着付けがスムーズで、振袖を着慣れていないお嬢様でも着心地の良さを実感しながら快適に1日を過ごせます。反対に、同じ絹でもペラペラしている、または胴裏がポリエステルの振袖だと滑りやすく、着崩れの原因となることも。そうなると着付け師は着崩れを防ぐために腰紐をキツく締めざるをえないので、お嬢様も息苦しさを感じやすくなります。見た目の美しさだけでなく着心地もこだわりたい方にも、高品質なママ振はぴったりです。

ママ振サステナブルファッション 

高度成長期やバブル景気の頃は、大量生産・大量消費が当たり前でしたが、現在は「今あるものを大切に使う」というサステナブル(持続可能な)が求められ、積極的に取り組まれています。振袖は昔と比べると着る機会が減っており、まだ着れるのに箪笥に眠らせておくのはもったいないと思う方がほとんどです。ママ振での成人式は価値ある振袖をもう一度お披露目できる絶好の機会です。また、令和の考え方にもマッチした振袖の準備方法だともいえます。

ママ振をトレンド感たっぷりにコーディネート

時代が変わっても損なわれることのない王道の魅力があるママ振。しかし、できるだけ長く使うことを念頭に置いて色や柄が選ばれている場合が多く、どことなく物足りなく思えることも。また、どんなに素敵な振袖もまるごと一式そのまま着ると古臭く見えがちなので、ママ振を活用する際はコーディネートをひと工夫することが大切です。まずは帯などの小物類だけ現代のものに変えてみましょう。ベースとなる振袖以外の部分に今どきな感性を少しプラスするだけで、ぐっとトレンド感がアップします。

帯のデザインや結び方にこだわってイメージチェンジ

イメージを一新するには、帯を見直してみることが一番です。着姿に対して占める割合が振袖に次いで高く、後ろ姿においては“顔”だと言っても過言ではないほど目立つので、ここを変えるだけでもがらりと印象は変わります。帯を変えるにはレンタルか購入かを選択しなければなりませんが、どちらにしても合わせるのは袋帯という格調高い帯です。ほかの種類だと振袖と格が釣り合わないので、必ず袋帯から良さそうなものを選んでください。
近年の袋帯は昔よりも長く、帯芯も薄くしなやかなため、立体的で凝った結び方もしやすくなっています。レトロに装いたい場合はふくら雀や巾着結び、華やかに見せたい場合は花結びや胡蝶の舞など、なりたいイメージに合わせてさまざまなアレンジが楽しめるのも魅力です。

帯締めや帯揚げも今どきにアップデート

帯が決まったら次は帯締めや帯揚げです。帯締めは帯の中央を横切る細い紐のことで、小さいながらも体の中心にくるので案外目を引きます。昔はシンプルに締めるだけでしたが、現在はこちらもアレンジ結びにしたり、帯留めを加えてアクセントをつけるのが一般的。その他、最初から大きな飾りがついているタイプも人気で、パールやつまみ細工、ボリュームのある花飾りなどたくさんの種類があります。帯揚げは、帯締めと同じく、結び方によってさまざまな表情を演出することができます。生地は主に「絞り」と「縮緬(ちりめん)」の2種類があり、刺繍入りのもの、ラメがきらめくものなど、トレンドに合わせてデザインが進化しています。

衿周りはレースや刺繍を取り入れると今風に

フリルやレースの半衿も人気のアイテム。大正ロマンを思わせる和洋折衷スタイルになります。もう少しさり気なく個性を発揮したい方には、刺繍が入った半衿が◎。繊細で女性らしい雰囲気が引き立ち、コーディネートのポイントにもなるのでおすすめです。重ね衿は半衿よりも見える範囲は少ないものの、衿周りのアクセントに欠かせない部分。最近はラインストーンやパールをあしらったもの、厚めのレースなど多彩なデザインが増えてきており、加えるだけでお顔周りがぱっと華やかになります。

厚底草履など足元のコーディネートも進化

普通よりも高さがある厚底の草履もここ数年人気を集めています。ヒールやソールの部分に刺繍や柄が入っているものもあり、足元のお洒落もばっちり。スタイルアップ効果も期待できます。またお母様世代の草履はエナメルでできているものが多かったですが、近ごろは履き心地を重視し、鼻緒の部分にやわらかい素材を使用したものも出てきています。草履は経年劣化が起きやすく、サイズが合っていないと足が痛くなりやすいアイテムです。せっかくならお嬢様の好みやサイズにぴったり合った1足を選び直してみてください。

バッグの素材も多彩に

ひと昔前までは着物用のバッグというとエナメル製が一般的でした。今はレトロ可愛い縮緬(ちりめん)や帯地を使ったものなど布製のバッグが増え、コーディネートの幅が広がっています。容量も昔と比べるとやや大きめで、使い勝手も改良されています。

髪飾りは水引や金箔がトレンド

近年話題を集めているのが、純和風のアイテムを使ったモダンなヘアアレンジです。髪を水引や組紐で結んだり、セットの仕上げに金箔や銀箔をあしらうだけで、一気に垢ぬけた雰囲気になります。古典柄が多いママ振とも相性抜群なのでぜひチェックを。その他、造花のコサージュの代わりに生花やドライフラワーを使うのも今どきです。

ママ振を着るには事前の準備が大切

​​着物は保管状態さえ良ければいつまでも着られるのが良いところですが、さすがに何十年もしまいっぱなしにしていたものをそのまま着るのはおすすめできません。「久しぶりに広げてみたら思いのほかダメージが目立つ…」ということも十分あり得ます。成人式直前になって慌てないよう、事前にきちんと状態を確認してメンテナンスしておきましょう。汚れの度合や仕立て直しの箇所によっては、想定よりも時間や費用がかかるケースもあるので、なるべく早めにプロに相談することが大切です。

シミやカビが広がっていないか

 長い間タンスで眠らせていた振袖には、シミやカビが広がっている可能性があります。ぱっと見きれいでも、裏側など目立たない部分に点在していたり、イヤな臭いが染みついていたりすることもあるので、必ず一度はクリーニングに出しましょう。ほつれなどのダメージがある際は、そちらもあわせて補修しておくこと。もし帯や小物類だけ現代のものに変えてコーディネートをし直したい場合、振袖がメンテナンスを終えて手元に戻ってきていないと決められません。できる限り余裕を持って準備を進めましょう。

サイズは合っているか

 お母様とお嬢様で体型に差がある場合は、仕立て直しも必要です。多少の差であれば着付けで調整も可能ですが、身長差が±5cm以上なら身丈や裄丈をお直ししたほうが無難。また現代の女性は手足がすらりと長い方が多いので、身長は同じくらいでも袖が短いということもあります。必ず試着してサイズ感を確かめてください。

小物はすべて揃っているか

 振袖を着るには、帯や肌着などたくさんのアイテムが必要です。お母様のものをそのまま使うなら、きちんとすべて揃っているかチェックしましょう。汚れや劣化が目立つものは、振袖と一緒にメンテナンスしておくこともお忘れなく。紛失またはダメージが深刻で使えない場合は、レンタルもしくは購入を検討しなければなりません。

振袖に必要なアイテム一覧
帯、帯揚げ、帯締め、帯枕、伊達衿、伊達締め2本、腰紐、肌着、長襦袢、三重仮紐、前板、衿芯、足袋、草履、バッグ、髪飾り、ショール、補正用タオル

山正山﨑では小物類のコーディネートのほか、お手入れから寸法直しまで幅広くサポートしています。そのため別々にお店を探す手間がなく、1ヶ所ですべての相談ができて大変便利です。また、今風に振袖を着こなすには、着付けも重要なポイント。織り方や染めの種類、描かれている文様など、その振袖の魅力をしっかり見極めた上で着付けることで、ママ振の映え方も違ってきます。山正山﨑には経験豊富な熟練着付師が在籍しているのでお任せして安心です。お困りのことがあれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。

まとめ

いかがでしたか。今回はいま話題のママ振について解説しました。ママ振は親から子への愛情の証であるのと同時に、袖を通すことで最高の親孝行にもなる特別な振袖です。また着物を着る機会が減った現代だからこそ、大切な振袖を受け継ぐという行為そのものが、この上なく贅沢なものに感じられるのではないでしょうか。ご自宅に思い出の振袖がある方は、ぜひママ振での参列を検討してみてください。きっと素敵な成人式になるはずです。