愛知県豊橋市で振袖や学生服・学校用品、着物、七五三衣装を取り扱う(株)山正山﨑「お知らせ」ページです。

お知らせCOLUMN

2023.07.06
コラム

山正山﨑おすすめのデザイナーズ振袖

創業75周年を迎える山正山﨑では、特別な1日にふさわしい上質な振袖を多数取り揃えています。今回はその中でも選りすぐりの3ブランドをご紹介。どれも職人技が光る逸品ぞろいです。また、振袖を試着する際に覚えておきたいマナーなども一緒に解説していきます。成人式本番はもちろん、お支度の段階から心がときめくような、珠玉の振袖に出会ってください。

【目次】
1 デザイナーズ振袖って、普通の振袖と何が違うの?
2 デザイナーズ振袖、最新コレクション10選
3  振袖の試着へ行ってみよう
4 まとめ

デザイナーズ振袖って、普通の振袖と何が違うの?

デザイナーズ振袖とは、職人が昔ながらの技法を駆使して、1枚1枚手作業で仕上げていく振袖のこと。制作過程は細かく分業化され、専門性の異なる職人たちが、リレーのように1枚の振袖をつないでカタチにしていきます。実はこれは現代の物づくりの現場では珍しい手のかけ方。大半は機械化された工場でスピーディに大量生産され、同じデザインのものが大量に出回ることが普通だからです。着物の世界も例外ではなく、インクジェットで印刷された振袖が市場の大半を席巻しています。デザイナーズ振袖は、そんな量産型振袖とは一線を画す特別な晴れ着です。非常に長い制作時間を要するため、1年の間に出来上がる枚数はごくわずか。しかしその分、仕上がりは衣類というよりも芸術品と呼ぶにふさわしいもので、一生に一度の成人式にぴったりです。しかも上質な振袖というのは、親から子、子から孫へと何世代にも渡って受け継いでいけるため、長い目で見れば賢い買い物であるとも言えます。
山正山﨑では、質の良い優美なデザイナーズ振袖を全国から厳選しています。その中でも自信をもっておすすめしたいのが、絞り染めの名手である「藤娘きぬたや」、京友禅の技を代々継承する「千總(ちそう)」と「松井青々」の振袖です。日本の伝統美をいまに伝える三者三様の魅力をくわしく解説します。

山正山﨑おすすめデザイナーズ振袖:藤娘きぬたや

6~7世紀ごろにはすでに行われていたという日本最古の染色技法「絞り染め」。糸や板などの専用器具を用いて、模様を入れたい箇所をぎゅっと絞って染めていきます。絞った部分は色がつかず、立体的に浮かび上がって見えるのが特徴です。1着の着物に施される絞りは約20万粒。その全てが人の手でなされ、1日にできる絞りの数は数百粒~数千粒が限度なので、完成までには非常に長い時間を要します。特に「総絞り」は時間も手間もかかるだけに価値も高く、江戸時代から贅沢品として扱われてきました。そんな「絞り染め」の世界で一目置かれているのが藤娘きぬたやです。1947年、呉服メーカーとして名古屋市に創業。1960年には、高級絞り、訪問着、絵羽織の生産に着手しました。「親子3代に渡ってお召しいただけるもの」をコンセプトに、図案の作成から製造、販売まで自社で手がけています。

 ■どこにも負けない絞りのテクニック
通常、絞りというのは生地巾1尺5分(約40cm)に45粒絞るのが普通ですが、藤娘きぬたやでは47粒絞ることができます。細かく絞れるということは、より精緻なデザインが可能ということ。技術の向上と品質安定のための努力が、最高峰の手仕事を確立しました。

絞りを引き立たせる「地落ち」の表現
柄と柄を分ける無地の空間を「地落ち」と呼びます。この間隔によって柄の立体感や躍動感が左右されるため、微妙な差にもこだわりぬいています。

 ■絵画さながらの色合い
これまでの「絞り染め」にはない、自由な色づくりや巧みな配色も魅力です。特に筆を用いて絞りを染めていく「ぼかし染め」は唯一無二の技で、色を重ねるごとに立体感が生まれます。

 ■3つの「時」を意識した物づくり
「長い歴史」「気が遠くなるような制作時間」「その時代に合ったもの」。これら3つの「時」を大切に、着る人の「今」を素敵に演出するための作品づくりを心がけています。藤娘きぬたやが目指す、親子3代に渡って受け継がれる振袖に欠かせない考え方です。

 ■ニューヨークでも絶賛された芸術性
1996年~2001年にかけて、2代目作家の伊藤嘉秋がニューヨークで3度個展を開催。この際、メトロポリタン美術館からオファーがかかり、「宴(うたげ)」という作品が貴館へ永久収蔵されました。

山正山﨑おすすめデザイナーズ振袖:千總(ちそう)

「京友禅」の老舗として知られている千總。創業は弘治元年(1555年)の室町時代。当初は法衣装束商として京都烏丸三条で商いをしていました。一門は隆盛し、江戸時代の中期には、三条通に軒を100軒も連ねたと伝えられています。明治時代に差し掛かると、商いの主軸を友禅染へ移行。「京友禅」は京都府一帯で作られる染織品のことで、手描きで行う独自の染色技法が特徴です。千總は長い歴史の中で培われた技術を大切にしながらも、日本画家に下絵を依頼することで従来のデザインを一新し、「京友禅」の新時代を築きました。また技術開発にも積極的で、天鵞絨友禅や写し友禅、刺繍などの大作をいくつも発表しています。現在では「美術染織品」という分野のパイオニアとして知られ、日本だけでなく海外でも高く評価されています。

蚕を育てるところから自社で管理
クオリティと美しさを保つため、蚕を育てて糸を紡ぐ段階から自分たちで管理しています。また、丹後にある専属の機屋(はたや)で白生地を織り、「京友禅」特有の繊細な色合いや着心地の良さを追求しています。すべての工程に妥協なく臨む姿勢が、一流の振袖を作り続けられる秘訣の1つです。

熟練の職人たちが柄を考案
千總には腕利きの図案家たちが在籍しています。図案家とは、美術工芸品に施す図案を考えて描き起こすデザイナーのこと。蓄積してきた約2万点の所蔵品と、高いデザイン力を存分に生かして、創造性豊かな柄を提案しています。図案家が生み出した柄は、また違う職人の手によって、彩色、糊伏せ、地染め、箔や刺繍が施され、「京友禅」らしい華やかな逸品へブラッシュアップされます。

通常では表現しきれない細かな描写も
「糊防染(のりぼうせん)」というテクニックを駆使しているのも千總の特徴。これは染料を弾く糊の特性を利用し、白く残したい部分に糊を置いて染め上げる技のこと。こうすることで、絞りや刺繍では表現しきれない、緻密な描写やなめらかな曲線も自在にデザインできます。その美しさは、「まるで絵画を見ているようだ」と称賛されるほどです。

世界に1つの振袖を作ることも可能
なんと夢のオーダーメイドにも対応。図案家をはじめ、多数の職人たちがお嬢様のためにオリジナルの振袖を作り上げてくれます。希望の方は山正山﨑へお問い合わせください。

山正山﨑おすすめデザイナーズ振袖:京友禅作家3代目・松井青々

京友禅の第一人者である初代・松井青々。現在、孫である3代目が技術を継承し、作品づくりに取り組んでいます。松井青々の作風といえば、「蝋たたき染め」によって斑に染め上げた地色と、いきいきと描かれた吉祥草花文様、美しい金彩が魅力です。唯一無二の華やかさと品の良さに定評があり、「青々調」と呼ばれる模造品まで出回るほど高い人気を誇っています。

デザイナーズ振袖、最新コレクション10選

お嬢様のハタチの記念を鮮やかに彩るデザイナーズ振袖。その中でも特に注目なのが、日本人の心に強く響く古典の振袖です。いつの時代も色褪せない古典の魅力を、ぜひチェックしてみてください。

 

▲漆黒の夜空に鶴が舞う光景を写し取ったような振袖。鶴は長寿の象徴であると共に、天(神)と地(人)をつなぐ存在であるとされ、おめでたい席にぴったりです。緑を基調とした帯と赤い帯揚げで全体を引き締めています。

▲落ち着いたえんじの地色を覆う、朝靄のような美しい柄が個性的。シンプルでありながら、独特の存在感を放ちます。すっきりとしたデザインが今どきな印象です。

      

▲色とりどりに咲き誇る花々が白地に美しく映えます。帯周りに深い色を持ってくることで気高い雰囲気も。大人の女性ならではの魅力が開花する、ハタチのお祝いにふさわしいコーディネートです。

 

▲トレンドのくすみカラーで一気に旬顔になれる1着。可憐な花柄やリボン結びにした帯揚げが、女の子らしさたっぷりです。大人可愛いスタイルを目指すお嬢様におすすめ。

▲王道の赤い振袖を大人っぽく着こなしたい方に◎。トーンを抑えた色使いにより、気高いイメージを演出できます。梅の柄には「長寿」「清廉潔白」などの意味があり、成人式に最適。

▲ふんだんに施されたカラフルな図柄と絞りが印象的。黒い振袖を華やかに着こなしたいお嬢様にぴったりなデザインです。振袖の柄に雰囲気を寄せた帯も統一感アップのポイント。

▲ぱっと目を引く美しい水色が気品たっぷり。季節の風物詩が水にたゆたうように描かれ、非常に優雅な雰囲気です。締め色の帯が、大人の女性らしい淑やかさをさり気なく引き立たせてくれます。

▲大胆な配色が印象的なバイカラー振袖。くすみラベンダーと黒色の取り合わせが、優しくもクールなイメージ。控えめに配された小花模様もとてもエレガントです。シンプルなコーディネートで令和のトレンドを押さえたい方にぜひ。

▲纏う人に落ち着きと気品を与えてくれるダークブルーの振袖。紅葉や菊など日本を象徴する自然が緻密に描かれ、うっとりするような美しさを見せてくれます。

▲重厚感あふれる絶妙な配色がとてもユニーク。定番の赤い振袖も新鮮なイメージで着こなせます。抽象画を思わせるような個性的な帯も見事に調和し、周りと差がつくコーディネートに。

振袖の試着に行ってみよう

成人式のお支度の中でも特にわくわくするのが振袖の試着です。実際に着てみた時のイメージやサイズ感を確かめるためにも、必ず一度は試着してみましょう。この章では試着へ行く時におすすめの服装や、気を付けたいポイントなどをご紹介します。

首元が空いたタイトな洋服が◎
振袖を試着する時は、洋服の上に着物用の衿を当てて振袖を羽織っていきます。そのため分厚い生地・ゆったりサイズの洋服を着て行くと、ゴワついてしまって適正サイズが分からない、着姿が美しくないなどの問題が起こります。洋服はなるべく薄手の素材で身体にフィットするものを選ぶのが良いでしょう。下半身は細身のパンツがおすすめ。また、タートルネックなど首が詰まった洋服を着て行くと、衿からはみ出してしまい雰囲気を損なうことも。フードがある服も衿周りがゴワゴワしてしまうので避けたほうが無難です。

■振袖に汗を付けないように
振袖に汗が付着すると、シミや変色の原因になります。夏はノースリーブの洋服を着る機会が増えますが、振袖を試着する際は避けるのがマナーです。Tシャツや5分丈の袖の洋服を選ぶようにしましょう。

 ■腕時計やアクセサリーは外しておくこと
振袖にひっかかって、キズを付けたりほつれさせれしまうことがあります。腕時計、ピアス、ネックレス、ブレスレットなどの貴金属類は外しておくと安心です。

 ■振袖に香りがつかないよう注意
香水が振袖につくとなかなか香りが取れず、次に使う時に困ってしまいます。試着の日は香水は控えるようにしてください。

まとめ

振袖は日本の未婚女性の第一礼装。晴れの日にふさわしい特別な衣装です。その中でもデザイナーズ振袖には、職人たちの技やセンスはもちろん、お嬢様の幸せを願う気持ちもしっかり込められており、纏う人に自信と輝きを与えてくれます。ぜひこれぞという上質な振袖に身を包んで、素敵な成人式をお迎えください。