愛知県豊橋市で振袖や学生服・学校用品、着物、七五三衣装を取り扱う(株)山正山﨑「お知らせ」ページです。

お知らせCOLUMN

2023.10.19
コラム

成人式にブランド振袖が選ばれる理由

成人式の振袖は一生に一度だけの特別な晴れ着。だからこそ「本当に良い品を」と考え、振袖選びに時間をかけるご家庭も多いかと思います。そんな願いに応えるため山正山﨑では、全国から上質な振袖を厳選。今回はその中でも特におすすめの3大老舗ブランドをご紹介します。まだ運命の振袖に出会えていない方はぜひチェックしてみてください。

【目次】
1 山正山﨑が自信を持っておすすめする3大老舗ブランド
2 振袖選びは地元の呉服店が安心
3 人気ブランド振袖、動き出す時期はいつ
4 まとめ

山正山﨑が自信を持っておすすめする3大老舗ブランド

振袖は未婚女性の第一礼装です。結婚式や大切な式典などに適した最高位の正装として、古くから愛されてきました。現在でも「成人式=振袖」というイメージをお持ちの方が多く、実に約9割の女性が成人式の晴れ着に振袖を選ぶというデータもあります。その一方で、振袖づくりの現場は昔と大きく変わってきています。大量に、早く、安く生産するため作業のほとんどが機械化され、インクジェット式プリンタで印刷された同じデザインの振袖が市場の大半を占めているのが現状です。
このような状況の中、今でも職人の手仕事にこだわり、上質な振袖を作り続けているのが「千總(ちそう)」「藤娘きぬたや」「HOSOO(ほそお)」の3ブランド。高度な伝統技術を脈々と受け継ぎ、現代の感性を融合させながら新たな振袖の歴史を築いています。作業工程は細かく分業化され、それぞれを専門の職人が担当し、熟練の技を駆使して仕上げていくため、完成までに費やす時間は膨大。当然、1年を通じて出来上がる振袖の数は限られてきます。しかしその分、仕上がりは芸術品と呼んでも差し支えないほどの美しさで、親から子へ、子から孫へと受け継いでいくのにふさわしい財産の1つとなります。各ブランドの歴史を紐解きながら、それぞれのこだわりや特色を見ていきましょう。

千總(ちそう)

長い歴史を誇る京友禅の世界でも老舗として知られている千總(ちそう)。室町時代の1555年、京都烏丸三条に法衣装束商として創業しました。江戸時代の頃には、御装束師として東本願寺、門跡家、宮家へ装束を調進していたと伝えられています。明治時代に差し掛かると、商いの主軸を友禅染めへ移行。当時開発されたばかりの写し友禅の技法をいち早く取り入れ、明治12年に京都博覧会にて作品を発表しました。その他にも、友禅染めの下絵を日本画家に依頼し従来のデザインを一新させたほか、天鵞絨友禅(ビロードゆうぜん)、写し友禅、刺繍など、技術の粋を集めた大作を次々に発表し、海外からも高く評価されました。昭和に入り戦争が始まると、着物は贅沢品として製造や販売が禁止され、京都の染織業も苦難の時代へ。そんな中、千總は技術の保存・継承に務めるため、技術保存資格者としての機構を構え、戦時中も染織品の制作を続けたといいます。戦後は高度成長の勢いに乗り発展。昭和33年には皇太子殿下ご成婚に際し、美智子妃殿下のご調度品の御用命を受けるという栄誉に浴しました。現在は伝統的な古典柄をベースに、デザインや色彩に新鮮な感覚を織り交ぜ、女性を瑞々しく装う振袖を数多く世に送り出しています。

糸を紡ぐところからこだわる
蚕を育て、繭から糸を紡ぐ。そんな始まりの工程から一気通貫の体制をとることで、美しさと品質を保っています。

千總友禅を支えるオリジナルの白生地
京友禅の絶妙な色合いを引き立てる織模様、風合い、着心地などを高いクオリティで維持し続けるため、丹後にある専属の機屋でオリジナルの白生地を織っています。

ものづくりの独自性を象徴する図案家たち
千總には専属の図案家が在籍しています。代々受け継いできたデザイン力や考察力、蓄積してきた約2万点もの所蔵品から得られるアイデアを融合させ、創造性あふれる図案を生み出しています。

熟練の職人たちとの連携
高い技術を持つ職人たちが各工程を専門に担い、互いに高め合いながら1枚の振袖を完成させていくのが千總のものづくり。一途に美を追い求める志と、構築してきた信頼関係によって唯一無二の振袖が生み出されます。

【千總公式ホームページ】

藤娘きぬたや

生地を小さくつまんで糸でくくり、そのまま染色することで絞った部分だけは色が付かず、独特の風合いがある模様となる━━。「絞り」と呼ばれるこの技術の始まりはなんと紀元前にまで遡り、インドやアフリカなど世界各国で自然発生的に生まれたといわれています。日本に伝来したのは奈良・飛鳥時代で、室町時代の「辻が花」、慶長・元禄時代に洗練された「小袖」など、日本女性のファッションの歴史と共に成長と発展を遂げてきました。中でも江戸時代に上流階級の間で大流行した「総絞り」は最高級の逸品とされ、現代でも非常に価値が高い着物として位置づけられています。そんな絞りの伝統を牽引し、現代における最高峰を常に目指しているのが藤娘きぬたやです。昭和22年、呉服メーカーとして名古屋市に創業。昭和35年には高級絞り、訪問着や絵羽織の生産に着手し、図案創作から一貫して自己生産体制をとるようになりました。昭和58年、大島紬に絞りを施す新しい技術を開発し、業界に新風を巻き起こしました。平成8年~13年には2代目作家の伊藤嘉秋がニューヨークにて3度個展を開催。その際、メトロポリタン美術館からオファーがかかり、「宴」という作品が永久保存され、日本の絞りの技術に注目が集まりました。

■卓越した絞りの技術
絞りは通常1尺5分(約40cm)に45粒並べますが、藤娘きぬたやでは47粒絞ることが可能。これは技術の向上と品質の安定のための独自のこだわりです。精巧な絞りの技術を常に追求し、どこにも真似できない手仕事の最高峰を確立しています。

絞りの美しさを引き出す「地落ち」の表現
「地落ち」とは絞りの柄と柄を分ける無地の空間のこと。この間隔によって柄に立体感や躍動感が生まれるといわれています。細やかな絞りで自由な線を描き、「地落ち」にこだわることで、絞り独特の美しさを最大限に引き出しているのも藤娘きぬたやの魅力です。

絵画を思わせる巧みな配色
今までの絞り染めにはない自由な色づくりや配色により、絵画のように美しい柄を創造しています。特に筆を用いて染めていく「ぼかし染め」はほかにはない技法で、色を重ねるごとに立体感が生まれて絞りに命が吹きこまれていくようです。

3つの「時」を意識したものづくり
絞りが誕生してから今に至るまでの「長い歴史」、気の遠くなるような「制作時間」、その「時代」に合った絞り。これら3つの「時」をキーワードに、着る人の「今」を大切にしたものづくりに挑み、親子3代に渡って受け継いでいけるような振袖を届け続けています。

■藤娘きぬたや公式ホームページ

HOSOO(ほそお)

西陣織は古都・京都で約1200年前より、貴族や武士、裕福な町人たちの支持を受け育まれてきた、日本の伝統的な織物です。HOSOOは1688年、本願寺より「細尾」の苗字を受け、京都の西陣に創業。以来300年以上に渡って西陣織の名店として歴史を積み重ねてきました。1923年には機屋に加えて、帯や着物の卸売業をスタート。日本中を巡り、伝統ある染織の素晴らしさや職人たちのものづくりの心を、多くの人々に届けることを目指しています。現在も機屋と卸売業の両輪で事業を営んでおり、世界に誇る西陣織の高い技術と芸術性を掲げ、その可能性を深め広げること。そして問屋として日本各地の着物文化を未来に繋げていくことを使命としています。西陣織の世界では前例のなかった大きな布の制作にも成功しており、HOSOOのテキスタイルはシャネルやルイ・ヴィトンの店舗のインテリア、ミハラヤスヒロの服などにも採用されています。

西陣織の可能性を引き出す高度な分業
世界一複雑な構造を持つ織物だといわれている西陣織。確かな品質を実現するため、HOSOOでは20以上もの工程それぞれを、異なる専門性を持った職人たち・技術者たちが分業して担当しています。各人の切磋琢磨が高いクオリティを支えているのです。

独自の技法で金や銀の和紙を織り込む
HOSOOの西陣織の魅力といえば、金や銀に輝く美しい模様。これは裁断した金銀の和紙を絹糸と共に織り込んだもので、高い技術が要求されます。強度と耐久性を高めるため、日本の伝統的な和紙を用いるというこだわりも。

美しい柄を描き出すための糸
デザインや配色を自在に構成し、いっそう豊かで深みのある色調と質感を出すのに欠かせないのが糸です。そのため糸の染色にも独自の美学を貫いています。

熟練の技によって生み出される柄
大切な工程の1つである柄の作成。経験豊富な職人が心を込めて考案します。古典柄だけでなく現代的なパターンにアレンジするのも得意。

振袖選びは地元の呉服店が安心

愛知県豊橋市に店を構える山正山﨑は、「千總(ちそう)」「藤娘きぬたや」「HOSOO(ほそお)」の取り扱い店舗です。価値が高い一生ものの振袖を選ぶ場合、ネットショップや遠方のお店ではなく、地元の呉服店に相談していただくのが安心かと思います。信頼できる一軒をお探しの方は、ぜひ一度お気軽にお問い合わせください。

山正山﨑は歴史ある呉服店です

創業は1948年。全国の工房との70年以上に渡るお付き合いと確かな目利きにより、高品質な振袖を多数取り揃えています。豊富な知識を生かした振袖選び、トレンドを押さえたコーディネートのご提案、着心地よく美しく見える着付けで、お嬢様の魅力を最大限に引き出します。初めての振袖選びで不安なお客様も安心してスタッフにお任せください。

地元のお店なら下見もメンテナンスも楽
「写真と実物でイメージが違う」というのはよくあること。高価な振袖ならなおさら店頭で実物を見て、袖を通し、品質に納得いただいた上で選んでいただきたいものです。日本が誇る伝統美の数々を、ぜひ間近で確かめてください。また振袖をご購入のお客様には、山正山﨑に在籍する着物アフターケア診断士が、着用後のお手入れはもちろん、保管方法もアドバイスします。

 ■パーソナルカラー診断で似合う振袖を見つけます
どんなに良い振袖でも、お嬢様に似合っていなければそれはベストな振袖とはいえません。人は生まれ持った肌や瞳、髪の色などにより、相性の良いカラーが決まっています。山正山﨑ではパーソナルカラリストによるパーソナルカラー診断も実施しており、結果を元にお嬢様にぴったりな1着を見つけることができます。

人気ブランド振袖、動き出す時期はいつ

「千總(ちそう)」「藤娘きぬたや」「HOSOO(ほそお)」など職人が1枚1枚手作りしている振袖は、出来上がる枚数自体が少なく、価値も高いため、本物思考のお客様に大変人気です。確実に予約を押さえるには早めの下見をおすすめします。動き出すパターンについてご紹介します。

■高校3年生の7~9月(成人式の2年半前)に動き出すパターン

振袖選びのスタートは年々早まってきており、近年では高校3年生から下見を始めるのが一般的になってきています。特に夏休みは各ブランドが新作を発表する時期なので、動き出すには絶好のタイミング。ただし受験勉強などで忙しい時期でもあるので無理は禁物です。お店のホームページやSNSをチェックしたり、パンフレットを取り寄せたり、学業に差し支えない範囲で下調べしてみましょう。もちろん進路が決まってから動き出すのでも大丈夫です。

高校3年生の1~3月(成人式の2年前)に動き出すパターン

その年の成人式のためにレンタルされていた振袖が、メンテナンスを終えて店頭に戻ってくる時期です。新作から旧作までたくさんの振袖が出揃います。夏のうちにある程度お目当ての振袖を絞っていた方は、このタイミングで予約を済ませておくと◎。ヘアメイクや着付け、前撮りの予約を良い枠で押さえたい方はこちらの手配も一緒に済ませておきましょう。受験で落ち着かない場合は、慌ただしさが落ち着いてきた春休みを狙ってお店に足を運んでみてください。

 ■大学1年生の7~9月(成人式の1年半前)

「高校卒業後の春休みは新生活の準備でバタバタしていて、振袖選びまで手が回らなかった」というお嬢様もいるかと思います。その場合は、大学1年生の夏休みから動き出すのがおすすめ。振袖選びの2度目のハイシーズンです。昨年の夏に発表された新作振袖は、早くも予約の最終段階に入るので、気になる振袖があればこのタイミングで予約を済ませておきましょう。ヘアメイク&着付けの予約も、式典会場の近くやちょうど良い時間帯は徐々に枠が埋まってきます。前撮りも人気の春秋や土日祝日を希望するなら、そろそろ予約しておくと安心です。

大学1年生の1~3月(成人式の1年前)

早割の予約特典はだいたいこのくらいの時期に終わることが多め。お得に振袖をゲットしたい方はお急ぎください。人気の新作振袖は在庫切れも目立ってきます。ヘアメイク、着付け、前撮りの予約枠も条件の良い日時はかなり埋まってきているので、手配はお早めに。

まとめ

いかがでしたか。今回は山正山﨑が取り扱う振袖の中でも、卓越した技術とセンスが光る3大老舗ブランドをご紹介しました。「千總(ちそう)」「藤娘きぬたや」「HOSOO(ほそお)」、それぞれの魅力はぜひ店頭で直接お確かめください。職人たちの技術の結晶に、きっと惚れ惚れするはずです。経験豊富な呉服店スタッフと一緒に、珠玉の振袖選びを楽しみましょう。