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2023.12.21
コラム

成人式へ向けて振袖の防寒対策をチェック

今年も残すところあと数日。2024年の成人式がいよいよ間近に迫ってきました。寒い日が続きますが、みなさん振袖の防寒についてはお考えでしょうか。振袖は袖が長い分、いつもの洋服用コートを羽織るわけにはいきません。今回は振袖を着る際の防寒対策についてくわしく解説していきます。

【目次】
1 振袖の温度調整のポイント
2 3つの首を温める振袖の防寒対策
3 悪天候時に役立つ振袖の心構え
4 まとめ

振袖の温度調整のポイント

振袖は下に、下着、補正タオル、裾よけ、肌襦袢、長襦袢を重ね着するため、真冬でも案外温かいと感じる方が多いといわれています。式典会場、行き帰りの車や電車の中はしっかり暖房が効いていることも多いので、やや暑く感じる方もいるかもしれません。特にかなり保温性の高い防寒インナーを着て行ったり、お腹や腰まわりにカイロを貼ると暑くなり過ぎる上に、慣れない帯の締め付けも相まって気持ち悪くなってしまうこともありえます。そうなったとしてもその場で脱ぐことは難しいので、胴体の防寒はほどほどにしておくのがおすすめです。
では、何もしなくても良いのかというとそういうわけでもありません。振袖はその構造上、大きく空いた袖口や、裾からすき間風が入りやすくなっています。また、どんなに重ね着をしていても首は外に出ていますし、衿をぐっと後ろに抜く分、肌が大きく露出してやはり冷えがちです。「体の中心は温かくても、部分的には寒い」というのが振袖の特徴だといえます。木枯らしが吹く屋外と暖かい屋内とで、簡単に着けたり外したりできるような防寒アイテムを用意しておくと良いでしょう。

3つの首を温める振袖の防寒対策

先にも述べたように、振袖の着用は全体としては割と温かいため部分的に防寒することが大切です。特に寒い屋外では、首、手首、足首の防寒はマスト。ここからは3つの首を中心にどんな対策をしていけば良いかをご紹介します。また、インナー選びにもいくつかポイントがあるので、合わせてチェックしていきましょう。

■振袖の防寒対策【首まわり】
振袖だけでなく、着物を着る時は衿を少し抜いて着付けるのが基本です。そのため首の後ろに開きができてそこにダイレクトに寒風が当たります。そんな首まわりを温めるのに大活躍するのがファータイプのショールです。振袖にふわふわのショールを合わせたファッションは真冬の成人式らしいもので、憧れているお嬢様も多いのではないでしょうか。ファータイプのショールの良いところは温かいのはもちろん、付け外しがしやすくコーディネートのポイントにもなるところ。まとうだけで華やかな雰囲気がぐっとアップします。清楚でどんな振袖にも似合う定番のホワイトのほか、ナチュラルでやさしい雰囲気のベージュ、おしゃれなグレー、個性的で格好良いブラック、女の子らしさ満点のピンクなど、選ぶカラーによってさまざまなイメージを演出することもできます。振袖と一緒にレンタルできるのでお店に確認してみてください。ファーのショールがあまり好みではないという方には、ストールやケープもおすすめ。ベルベット素材のケープは流行のレトロモダンなコーディネートとも相性抜群です。購入する場合は、訪問着や小紋などにも合わせやすく、長く使えそうな防寒アイテムを選ぶのも賢い選択でしょう。もしご自宅に振袖に合いそうなストールやケープがあれば、そちらを活用してもOKです。他とは違う着こなしに周囲の視線も集中しそう。「羽織だけではまだ寒いかも…」という場合は、衿の下のほうに小さめのカイロを貼るのも◎。首回りの冷えが和らぎます。首元から見えない位置に貼ると良いでしょう。

■振袖の防寒対策【手首】
振袖は広く開いた袖口から冷気が入ってきやすいため、長時間屋外にいると腕が冷えてくることがあります。そんな時にあると便利なのがロンググローブ。手首までの短い手袋ではなく、肘まで覆える長さのロンググローブがあるとしっかり温まります。最近はグローブを付けたままスマホの操作ができるタッチパネル対応のものも多く、大変便利です。「ネイルが引っかからないか心配…」もしくは「かわいいネイルをしっかり見せたい」というお嬢様は、指先のないタイプを選ぶのもアリです。

■振袖の防寒対策【足首】
冷気は下のほうに溜まりやすいため、一番寒いと感じるのは足元かもしれません。特に草履だと足袋がむき出しになる分、防寒対策を万全にしておくことが大切です。まず、1番簡単に取り入れやすいのが、足袋の下に靴下を重ね履きする方法。草履を履くことを考えて、必ず5本指ソックスを選ぶようにしましょう。足袋用タイツや5本指ストッキングを履くのも脚全体を防寒できて非常に有効です。色はベージュを選んでおけば、裾から脚がのぞいた際にも目立ちにくくて◎。このように足袋の下に何かを履く場合は、キツキツにならないように少し大きめの足袋(自分の足のサイズ+0.5cmくらい)を用意するようにしましょう。寒冷地にお住いの方や寒がりな方は、靴下やタイツの重ね履きに加えてハーフパンツを履くのも良いかもしれません。裾がめくれた時に見えないよう、丈は膝上くらいまでのものがベスト。また、股上が深いものだと帯の締め付けと重なって脱ぎにくくなってしまうため、ハーフパンツやストッキングを着用する際は、股上が浅いタイプを選ぶことも重要です。ハーフパンツは素材によっては静電気が起きやすいこともあります。試着の時に問題がないか一度試してみる、もしくは静電気防止剤を使うと安心でしょう。その他、足袋自体が保温性の高い素材でできているものもあります。内側がフリース素材になっているものや、足底がネル生地になっているものなど種類もさまざま。気になるお嬢様はいろいろ検索してみてください。

■振袖の防寒対策【インナー選び】
振袖は長襦袢や肌襦袢などを重ね着するため、体の中心はそう寒くはありません。よほどの寒冷地でなければ、通年素材のインナーか、多少の保温機能を持つあったかインナーでちょうど良いかと思います。寒いからといってインナーを何枚も重ね着したり、もこもこ素材の分厚いインナーを選ぶと暑いだけでなく、タブついてきれいに着付けられないこともあるので注意しましょう。振袖の下に着るインナーで気をつけたいのは次の2つ。まず1つめが、首が大きく開いていることです。首が詰まったインナーだと、衿や衣紋からインナーが見えてしまってせっかくの風情が台無しになってしまいます。Uネックの前後に大きく襟ぐりが開いたタイプを選ぶと良いでしょう。ちょうど良いものがなければ、インナーの前後をあえて逆にして着るという裏技もあります。着物は衿を後ろに抜いて着るため、首後ろが大きく見えがちです。インナーの前と後ろを逆にすることで、背中側の襟ぐりが深くなってチラ見えを防止することができます。2つめが、振袖の袖口からインナーが見えない袖の長さであること。インナーの袖の長さは7分丈くらいがほど良いでしょう。振袖を試着する際に、インナーが見えていないか確認しておくことをおすすめします。また、真冬の防寒というと貼るカイロを愛用している方も多いかもしれませんが、振袖の時は使い方に注意が必要です。途中で着崩れてこないよう帯をきつく締めるため、もしインナーにカイロを貼っていると肌に密着してヤケドしてしまうことがあります。暑いと思っても途中ではがすことは困難なので、インナーのお腹・背中まわりにカイロを貼るのは止めておきましょう。手持ちタイプのカイロをバッグに忍ばせておくのはOKです。

悪天候時に役立つ振袖の心構え

成人式当日に雨や雪が降ることも考えられます。防寒対策にプラスして悪天候時のことも考えておくと、いざという時も慌てずに済みます。念のためチェックしておきましょう。

■大きめの傘
成人式の振袖では、ボリューム満点の華やかな帯結びをしていたり、ふわふわのファーショールを身に着けていることがほとんど。ゆえに傘は大きめサイズであることが肝心です。小ぶりな折り畳み傘だと、雨粒が肩に落ちてシミになってしまうこともあるので気を付けましょう。普段お使いの洋傘でも構いませんが、振袖の雰囲気を損ないたくない場合はやはり和の雨傘がベスト。時代劇で見るような朱色の和傘でなくても、骨の数が多くどことなく和風なものや、レトロな柄を散りばめたもの、持ち手が竹や木になったものなど、いろいろなデザインの和傘があります。あずき色や若草色、紺碧色などの落ち着いたカラーも上品で振袖にマッチします。振袖の色柄に合わせて1本用意しておくと素敵です。

足袋カバーや草履カバー
天候が悪い日にあちこち歩き回っていると、泥がハネて足元が汚れてしまうことがあります。雨や雪の日は、撥水加工が施された足袋カバーを活用するのがおすすめ。足袋カバーとは、通常の足袋の上からすっぽり履くもので、突然天候が崩れた時もさっと汚れをカバーできて大変便利です。その他だと、草履に草履カバーを装着するのも良いでしょう。足袋を汚れから守るだけでなく、草履のダメージを軽減する効果もあります。足袋カバーも草履カバーも防寒にも役立つので、用意しておくと何かと重宝します。ただしどちらも使って良いのは移動時のみ。式典会場では外して、きちんと草履と足袋の組み合わせで臨むのがマナーです。足袋カバーや草履カバーを準備するのが難しい場合は、汚れた時にすぐ取り替えられるよう、予備の足袋を何枚か用意しておくと安心です。

雨コート
土砂降りの時は雨コートを羽織っていくと安心でしょう。雨コートとは撥水加工が施された着物用のレインコートのこと。ポリエステル素材のものが多く、大切な振袖を水滴や泥ハネからしっかり守ってくれます。肩から裾まで一体となっているタイプが一般的ですが、上下が分かれている二部式タイプもあります。どちらにしても裾まできちんと長さがあり、最も汚れやすい足元をカバーできるものが◎。全身の防水・防汚というと防水スプレーを思い浮かべる方もいるかもしれませんが、振袖に直接振りかけるのは絶対にNGです。シミになってしまうことがあるので、安易に使わないようにしましょう。

まとめ

いかがでしたか。今回は洋服とは異なる振袖ならではの防寒対策についてまとめました。見た目の美しさだけでなく、防寒対策にも重きを置いてお支度を進めておくと、真冬の空の下でも快適に過ごせるかと思います。さらに、悪天候の場合の準備も万全にしておけば、成人式当日がどんなお天気だったとしても怖くはありません。成人式当日は振袖の美しさを損なわず、快適に過ごすためにこれらの防寒対策をぜひ参考にしてみてください。