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2024.02.27
コラム

着物で卒業式・入学式に参列しよう

お子様の門出と成長をお祝いする卒業式&入学式。大切な節目の時だからこそ、礼を尽くした服装で参列したいですよね。今回はそんなお母様たちへ、卒業式・入学式向けの着物選びについて解説。コーディネートのポイントや着物に合わせる小物などもご紹介します。ぜひ着物での参列にチャレンジしてみてください。

【目次】
1 卒業式や入学式にふさわしい着物の種類
2 卒業式と入学式それぞれに似合う着物の色や柄
3 卒業式や入学式に参列、着物以外に必要なアイテムは?
4 まとめ

卒業式や入学式にふさわしい着物の種類

着物で参列したいという気持ちはあるものの、どんな着物を選べば良いのか分からない方も多いかと思います。卒業式や入学式は厳粛なセレモニー。お世話になった先生方にご挨拶することもあるので、フォーマルに徹するのが基本です。その一方でもう1つ忘れてはならないのが、主役はあくまでもお子様であるということ。お子様より目立たないよう1歩引いた装いにすることもとても大切です。洋服でいうと、華美なドレスではなく落ち着いた色味のワンピースやスーツが好ましいのはそのためです。着物に置き換えると、準礼装の訪問着や色無地がちょうど良いということになります。最礼装の黒留袖や色留袖、振袖、黒紋付などは主に冠婚葬祭に用いられるもので、格が高すぎて卒業式や入学式には不向き。きちんとした服装を…と張り切り過ぎて格がちぐはぐにならないよう気をつけましょう。ここからは訪問着や色無地の特徴を解説します。

訪問着はほど良い華やかさと使い勝手の良さが魅力
卒業式や入学式に着て行く着物の中で最も人気が高いのが訪問着。着物全体、もしくは肩・胸・袖・裾にかけて模様が途切れることなく1枚の絵のようにつながった「絵羽模様」が特徴です。色無地よりも華やかに見えるため、特に新生活のスタートを祝う入学式に向いているとされています。卒業式で着る場合は控えめな色柄のものを選ぶとスマートでしょう。訪問着はほかにも、お子様のお宮参りや七五三、結婚式、パーティ、観劇、お茶会など、さまざまな場に着て行くことができます。幅広いシーンで活躍できるので、卒業式や入学式を機に1着あつらえておくのもおすすめです。

色無地はシンプルな中にも上品な美しさが光る
白生地を黒以外の1色で染め上げた、柄のまったく入っていない着物のことを色無地といいます。落ち着いた雰囲気が、ほかの着物にはない最大の魅力。門出の時であると同時に別れの場でもある卒業式にぴったりです。きちんと感はありつつも、お子様より目立つこともないため安心して着られます。無地=絵柄の季節感や格に悩むことなく使えるというのも嬉しいポイントでしょう。一つ紋、もしくは紋がないタイプであれば、かしこまった食事会やお茶会などにも着て行けます。

■訪問着よりもやや控えめな装いの付け下げを選ぶ方も
準礼装の1つ下の略礼装に付け下げと呼ばれる着物があります。反物の状態で模様付けをしているため、訪問着とは違って縫い目で模様が途切れます。また、胸や肩、袖、裾などに何回も同じ模様が登場するのも訪問着との違いです。上品な着物なので卒業式や入学式に着て行っても差し支えありません。落ち着いたイメージということもあり、特に卒業式に向いているとされています。

卒業式と入学式それぞれに似合う着物の色や柄

卒業式と入学式、どちらも学校生活における大切な式典ですが、意味合いは少し異なります。それぞれの雰囲気や目的をきちんと理解して色や柄を選ぶと、よりふさわしい装いとなります。

卒業式
学校生活の締めくくりとなる卒業式。無事にこの日を迎えられた喜びと、ご友人との別れの切なさが入り混じる特別な1日です。お世話になった先生方に感謝の気持ちを伝える場でもあります。そういったことを考えると、卒業式には寒色系の落ち着いた色合いがおすすめ。淡いトーンの青や水色、グレーなどを選べば、ブラックフォーマルできめた洋装派のお母様の中でも浮くことがありません。柄の色もなるべく控えに、なおかつ数も少なめなほうが卒業式らしい雰囲気が引き立ちます。

入学式
学校生活の記念すべき最初の1日となる入学式。新たな出会いの時でもあり、卒業式に比べると明るいイメージがあります。というわけで着物も、喜びや希望を感じさせるような温かみのあるカラーが自然とマッチ。淡いピンクや黄色、クリーム、ベージュ、藤色、若草色などのパステルカラーがぴったりです。春らしく上品な花柄や、松竹梅や扇といったおめでたい柄も場の雰囲気に合います。

卒業式と入学式で同じ着物を着回したい場合
時期が近いこともあり、できれば卒業式と入学式で同じ着物を着回したい方もいるかと思います。そんな時は小物だけ変えるのが◎。卒業式ならより落ち着いた色、入学式なら明るい色の小物をメインに選ぶと、同じ着物でも違ったイメージになります。特に帯は全体の中でもよく目立ち、後ろ姿においては“顔”といっても過言ではない部分なので、ここだけ変えてコーディネートするのも良いでしょう。

NGな色や柄】
先にも述べたように、卒業式や入学式の主役はあくまでもお子様。派手な色柄は避けたほうが無難です。くすみカラーやパステルカラーなどの優しげな色合いを選ぶと良いでしょう。柄もなるべく大柄なものや数が多いものは避けたほうが上品です。また、春といえば桜のイメージがありますが、桜が単体で描かれている着物は無粋と思われるケースも。着物の柄は先取りが基本であり、今まさに咲いている・散り際の花を柄にするのはあまり良くないと考える方もいるからです。もし桜の柄の着物が着たいなら、牡丹や藤などほかの春の花が描かれているものや、四季折々の花々の中に桜が交じっているような着物を選ぶと安心です。

年代別おすすめコーディネート例】
歳を重ねるうちに似合うワンピースやスーツが変わっていくように、着物も年齢によってしっくりくるデザインや種類が異なります。今の自分に1番マッチする着こなしはどんなものなのか参考にしてみてください。

20代のお母様は明るめカラーの訪問着がお似合い
ほど良い華やぎがある訪問着は、20代のお母様に特におすすめ。ぱっと明るい雰囲気と若々しさが自然に調和し、違和感なく着こなすことができます。淡いピンクやグリーンなどの春らしい地色に古典柄があしらわれた訪問着なら上品なイメージも充分。着物と帯の色を合わせるとより洗練された装いとなります。現代では嫁入り道具として訪問着をあつらえるご家庭は減ってきているかもしれませんが、1着あるとやはり便利です。20代はこれから先も人生の節目となるイベントがたくさん控えており、訪問着を着る機会にも恵まれやすいかと思います。卒業式や入学式を機に思い切って購入しておくのも賢い選択でしょう。

30代のお母様はきれいめカラーの訪問着や付け下げが◎
フォーマルシーンにもある程度慣れてくる30代。王道の着こなしに大人の女性ならではのエレガントさを加えると、ワンランク上のお洒落を楽しむことができます。着物の地色は、藤色をはじめ黄緑色や水色などのきれいめカラーがとってもお似合い。落ち着いた印象を大切にしたい方は、20代の頃よりも少し色数を減らした着物を選ぶと良いでしょう。その他、訪問着ではなくあえて付け下げを選ぶのもアリです。訪問着よりも控えめな印象になります。

40代のお母様は、落ち着いたカラーの訪問着や付け下げ、もしくは色無地がおすすめ
卒業式や入学式を何度か経験し、フォーマルシーンを楽しむ余裕がある方も多いのが40代です。このくらいの年代に差し掛かると、淡い黄色やベージュ、ライトグレーなどの落ち着いたカラーの着物も品良く着こなすことができます。訪問着や付け下げを選ぶなら、柄数をぐっと抑えたものにするのがおすすめ。柄が全くない色無地も粋な印象です。シンプルな中にもこだわりを発揮したい場合は、帯締めや帯揚げにアクセントカラーを持ってくるか、帯に少し濃いめの色を持ってくるとセンス良く見えます。40代は着物の楽しみ方に幅が生まれる年代です。自分らしいコーディネートを追求してみてください。

卒業式や入学式に参列、着物以外に必要なアイテムは?

ここからは着物以外のアイテムについてまとめます。細かな部分もTPOを踏まえてお支度して当日をお迎えください。

■羽織もの
暖かい日もあれば肌寒い日もあるのが3月4月。当日の気温によっては着物の上に何か羽織るものがあると良いかもしれません。ひと昔前まで卒業式や入学式に使う羽織といえば、着丈80cm以下の短めの黒羽織が一般的でしたが、最近は必ずしもそうでなければならないという考え方はなくなっています。実際にいま最もよく見かけるのは、フォーマル向けの上羽織もの代表格は道行です。胸元が四角く開いているのが特徴で、無地に近いほどよりフォーマルな場に向いているとされています。あくまでも外出用のコートという位置づけなので、教室や体育館では脱ぎましょう。それほど寒くない場合は、大判のショールを軽く肩にかけて行ってもOK。こちらも無地でなるべく落ち着いた色だと上品です。近年では道中着コートと言って着物の衿に沿うように仕立てられたコートも人気があります。こちらも室内では脱ぐことがマナー。小さく畳んで風呂敷やポーチなどに収納しておけば会場に着席した際も扱いに戸惑いません。


着物に合わせて格が高い袋帯を選び、背中のお太鼓が二重になるように結びます。二重にするのには、「喜びが重なりますように」という意味があります。金糸が多い袋帯だと華美になりがちです。金糸はほどほどに、白などの控えめなカラーを基調にしたものを選んだほうが品良くまとまります。

草履
かしこまった場には、少し高さのある草履を合わせましょう。こちらも派手なカラーやデザインは避けたほうが無難。足をのせる台の部分は金銀白、鼻緒にも同色が入ったものが一般的です。

バッグ
ベストなのは和装用のバッグ。中でも小ぶりながらマチが広く作られている利休バッグは使い勝手が良くておすすめです。スマホやお財布、ハンカチ、デジカメなどを一式入れることができます。卒業式や入学式以外にも、結婚式やパーティ、お茶会にも使えるので1つ購入しておくと便利でしょう。もしご自宅に着物に合いそうな洋装用のハンドバッグがあれば、そちらを使っても差し支えありません。「安っぽく見えないこと」「控えめな色であること」「大きすぎず、けれども必要最低限の物は入ること」「持ち手が短いこと」「凹凸のある飾りがついていないこと(着物を傷つけないため)」、この辺りの条件が満たされているか確認してください。また、記念品や各種書類などが配られることもあるため、A4サイズくらいのサブバッグもあると良いでしょう。

まとめ

今回は卒業式や入学式向けの着物の選び方についてご紹介しました。着物はお祝いの気持ちをきちんと示し、周りの方々へご挨拶するのに最適なフォーマルウェアです。ワンピースやスーツに比べると準備に手間がかかりますが、そこに費やす時間そのものが祝福や感謝、敬意の表れとなります。ぜひ着物でお洒落して、お子様と思い出に残るひとときをお過ごしください。